季節感のないコードバンローファー
数年来の念願だったオールデンのコードバンローファーを今年購入したのは記憶に新しいところ。現在最も気に入っている靴なのは間違いないですし通年履ける頼もしい相棒ではあるんですが、如何せん季節感が出ない…。
写真上のように白アイテムを入れて季節感を出してみても、コードバンローファーのシーズンレスな雰囲気のおかげ?で春なのか秋なのか良く分からない感じに纏まっちゃいます…。
コロナ自粛が明けて初夏にお出掛けする際には、どうしても春夏っぽい靴を履きたい! そんな妄想の中で出てきたのがレザーのデッキシューズだった訳です。
デッキシューズの歴史について
http://suniken.com/sperrytopsider/sperrytopsider-about.html
欲しくなったら調べ上げるのが私の習性(笑)。デッキシューズの歴史を調べていくと、行き着くのはやはり元祖と呼ばれるブランド、スペリー・トップサイダーになります。
トップサイダーは1935年にアメリカはコネチカット州生まれの創業者ポール・アリング・スペリー氏によって作られたブランド。航海中の船上での転倒事故がキッカケで「滑らない靴」の開発に着手しました。
その性能の高さが評価されて、第二次世界大戦ではアメリカ海軍のオフィシャルシューズとして選ばれています。ミリタリー好きの私にとっては堪らないヒストリーですね(笑)
デッキシューズのコーディネート
https://instagram.com/otokomaeken?igshid=1rf8dg3p53mb4
私がイメージしていた画像が出てこなかったけど、いつも履いているスリッポンやローファーの替わりに取り入れるだけで春夏っぽさが生まれるから不思議です!
またデッキシューズの場合、出自が船の甲板で履く靴だしアメリカやフランスの海軍にも採用されたラギッドな靴なので、素足履きしてもイヤらしさが出ないのも嬉しいポイント。
そして今回狙っているデッキシューズはあくまでレザー仕様に限ります。理由はレザーアッパーのドレス感とゴムソールのカジュアル感がほど良く調和することで、ジャケットスタイル〜アメカジスタイルまで幅広く使えるからです。
5選その① ティンバーランド
出ました!ティンバーランドのデッキシューズ。このモカ縫いのレザーアッパーにゴツいラグソールの組み合わせは渋カジ全盛期に憧れのマトとなった靴なんです。
おそらく私と同年代の読者の方は「懐かしい〜〜!!」と喜んでいるかと思います(笑)。当時(28年前)ティンバーランドは高嶺の花だったので、私はアメ横のセンタービルの靴屋に通っては眺めるだけで終わりました。
この靴が流行った1990年代初頭はレッドウイングのアイリッシュセッターよりティンバーランドのデッキシューズの方が人気が高かったですからね! ただし、今このゴツいソールを履きこなすのは難しいので、もしティンバーランドを選ぶなら…
このツーアイ・ボートシューズを選ぶと思います。
前出のスリーアイ・クラシックラグだと、アイレットの数が3つになりスリッポン感が薄くなるのと、履き口とソールにボリュームがあり過ぎて合わせづらいかなと。
その点このツーアイはモカ縫いのフルグレインレザーは受け継ぎながら、薄めのサイプドラバーアウトソールを採用しているおかげで見た目がスマート。更にお財布に優しい15,400円(税込)とお手頃価格なのも嬉しいポイント!
あの頃(かれこれ28年前ね)憧れだったティンバーランドの焼印が入ったレザーアッパーがこの値段で手に入るなんて…デッキシューズの候補①として推薦します。
5選その② RANCOURT(ランコート)
続いてはセレクトショップの雄、ビームスのアメトラ部門「ビームスプラス」が別注を掛けたランコートのデッキシューズ。いつもながらビームスオンラインブログでのスタッフの着こなしが大変勉強になりますね!
ランコートは1964年にアメリカのメイン州で創業したモカシン専門ブランド。100年以上続くハンドソーンのモカシン製法を守る為に、現在も頑なにMADE IN USAを貫いています🇺🇸
こちらのビームスプラス別注品では、アッパーのレザーを汚れや傷に強い『クロムパック(多量のオイルが染み込んだレザー)』に変更してます。元々のレザーとの違いは…ビームスのスタッフに聞いてください(笑)
私がランコートで履きたいと思ったのは、この「キャップモカシン」というモデル。昔めちゃくちゃ愛用していたサントーニのリボン付きローファーを彷彿とさせるデザインに一目惚れです。
こちらのモデルはオールデンのコードバンを供給していることで有名な「ホーウィン社」のクロムエクセルレザーという、使い込むことでエイジングを楽しめる皮革を使用してます。
製法はマッケイのようですが、デッキシューズのラバーソールはそう簡単に擦り減らないので、そこそこ長い期間楽しめるのではないかと思います。しかもマッケイでも1回はオールソール出来ますしね。
5選その③ラッセルモカシン
https://www.tigersbro-online.com/phone/product/391
3つ目は1898年創業の老舗アメリカブランド、ラッセルモカシン。名前から分かる通りモカシンシューズ専業ブランドで、代表的なモデルは写真上の「スポーティングクレーチャッカ」と写真下の「ノックアバウト」になります。
ラッセルモカシンもランコートと同じように現在もMADE IN USAを貫いており、アメリカの職人によるハンドメイドで作られてます🇺🇸
また2000年前後にシューティングクレーチャッカがレッドウイング「アイリッシュセッター」の対抗馬としてアメカジ好きの間でプチブレイクしたので、我々アメカジ好きアラフォー世代には馴染み深いブランドだったりします。
シューティングクレーチャッカは今なお魅力的なモデルなんですが、今回のテーマはデッキシューズなので、この「キャンプモカシン」を選びたいと思います。
こちらのデザインも先程のランコートのキャンプモカシンと同じ「リボン付きモカシンローファー」で、紐で調節できない替わりにスッキリとした見た目が魅力的。独特のオイルタンドレザーの色目から、知ってる人が見れば一目で「ラッセルモカシンだ」と分かる通好みの雰囲気が堪りません。
ただし一つ残念なのが、日本国内における流通量の少なさ。大手セレクトショップでメジャーなモデルは展開していますが、このキャンプモカシンになると実店舗で展開しているのは神戸にあるアメカジの名店「タイガーブラザーズ」くらいでしょうか。
ただし今では返品・交換を受け付けてくれるネットショップが増えてきたので、実店舗で買えなくても大した問題ではなくなってきました。これも時代の流れなんでしょうね。
5選その④ パラブーツ「バース」
https://item.rakuten.co.jp/deradera/1442770/#
4つ目はパラブーツの定番モデル、バースになります。今回紹介したデッキシューズは全てアメリカブランドですが、このパラブーツのみ唯一おフランスのブランドになります🇫🇷
恥ずかしながら私はパラブーツを試着したことも所有したこともないので、是非一度「世界で唯一自社生産しているめちゃくちゃ減りづらいソール」を体験してみたいと思ってました。
バースの顔つきですが、アッパーに用いられるレザーの表情やステッチの緻密さやから、他のアメリカブランドのデッキシューズに比べて上品に纏まってます。
https://shop.zabou.org/?pid=86357463
パラブーツと言えば自社生産するほどソールへの拘りが強いブランドだと勝手にイメージしてますが、このバースに使われている「MARINEソール」も滑りにくく屈曲性に優れており、フランス海軍に正式採用される実力を持ってます!
またバースには油分をたっぷり含んだヴォイルレザーが使われており、その中でもダークブラウンカラーは「AMERICA」と名付けられてます。フランスブランドのデッキシューズながら、今まで紹介してきたアメリカブランドに共通するラギッドな雰囲気を持ち合わせてます。
ヤラシイ話になりますが、リセールバリューを考えると今回ご紹介したブランドの中でパラブーツが一番コスパが高いので、手放すことを考慮した上でデッキシューズに挑戦するならバースを強くオススメします。
5選その⑤ 元祖デッキ!トップサイダー
https://www.abc-mart.net/shop/g/g4980670001022/
「デッキシューズの歴史について」でも出てきましたが、やはり外せないのがデッキシューズの産みの親であるトップサイダーでしょう。まさかABCマートで取り扱ってるとは調べるまで知りませんでしたが…😅
最近では軽量化したソールを搭載したりと数多くのモデルを展開してますが、私が選ぶなら定番の「オーセンティックオリジナル2アイレット」でしょう。
その中でもドミニカ共和国やインドネシアで作られる定番モデル(13,200円)ではなく、どうせ買うならホーウィン社のオイルドレザーを使ったMADE IN USA仕様(18,480円)を積極的に選びたいところ🇺🇸
氷の上を滑らずに歩く愛犬の足の裏からヒントを得て開発された通称「スペリーソール」もオリジナルを知るべく体験してみたい!
何故今、日本のデッキシューズの定番モデルがトップサイダーのオーセンティックオリジナルではなくパラブーツのバースにとって変わられたのか… それはブランドや販売代理店におけるマーケティング能力の差かもしれません。
セレクトショップ別注や百貨店で展開するパラブーツに対し、数多く販売する為に量販店のABCマートと提携して幅広い層に展開していったトップサイダー。
我々服好きから見れば両者のどちらを選べば「拘って選んでる」ように見えるかは一目瞭然です。モノ自体は素晴らしいしブランド力もあるのに、お洒落な人から中々選んでもらえない環境が残念…。
春夏に狙いたいデッキシューズまとめ
デッキシューズについて調べて書いてたら膨大な文字数になっちゃいましたが、今回取り上げた5つのブランドはそれぞれの魅力があると感じました。
元祖オリジナルで言えばトップサイダーだし、アメリカ製のハンドメイドを感じたければランコートかラッセルモカシン(トップサイダーの一部モデルも)、上品な顔立ちで減らないソールならパラブーツになります。
また耐久性の面では、読者HYさんから「年1回のメンテナンスで15年履き続けてる」とコメントをいただいたパラブーツのバースが群を抜いているかもしれません。
どちらにせよコロナ自粛が明けて初夏の頃には、私がどのモデルを選んだかお伝えできると思います。
コメント
もう決められてると思いますが…..
パラブーツバースを15年履いています。
そのうち5年は学生だったので、少なくとも5年間の夏は3日に1回ぐらい履いていました。
何が凄いかと言うと、年1程度のメンテで未だにしなやかさを保っている事。それとソールの修理を1回もしていない事です。
コーディネイトもしやすいので是非おすすめします。
HYさん、コメントありがとうございます!
実はまだ調べたばかりなので、全然決まってません(笑)
パラブーツのバース、15年選手でビクともしてないとは凄いですね(゚ω゚)
コスパで選ぶならバースで間違いなさそうです!大変参考になりましたm(_ _)m