原宿譲りの名店ベルベルジン静岡
ゴールデンウィーク7日連続更新、最終日のテーマは1960年代製リーバイス911Bピケパンツ。しかもデッドストック品になります✨
今回購入したのは静岡駅にあるヴィンテージ古着屋のベルベルジン静岡になります。そう、あの有名な老舗ヴィンテージ古着屋のベルベルジン原宿の姉妹店なんです!
以前…と言うか約3年前にゴールデンサイズでヒゲ落ちの501BigEを購入して以来、定期的にチェックしてるお気に入りの古着屋。今回はコロナ禍で自粛になる前に店頭でチェックしておいた個体になります。
IVYリーガーに愛されたピケパンツ
現在40代半ばの我々が青春時代を送った頃は「渋カジ」が大ブームでしたが、現在還暦を超えた方々の青春時代だった1960年代は「IVY(アイビー)」が大ブームだったようです。
大してお洒落じゃないウチの親(60代後半)も「VAN」のニットをペアで着てたと言ってたので、IVYルックは相当なブームだったと予想します😅
そのIVYスタイルは本国アメリカを起点に始まりましたが、東海岸のファッションシーンを席巻したIVYリーガーの御用達だったのが今回ご紹介するピケパンツなのです🇺🇸
ノンデニム=ホワイトリーバイス
そもそもリーバイスがデニム以外でツイル地のパンツを発売したのが1960年。501だとXXの時代ですが、当時はまだデニム=労働着のイメージが強かった。そこでデニム地以外のパンツがIVYリーガーに流行ったようです。
このデニム地以外の商品を「スリムフィット」と称し、1961年にベッドフォードコードことピケ素材のパンツが発売されました。
このピケパンツは別名「カリフォルニアン ジーンズ」と呼ばれており、今回購入した個体のフラッシャーにもしっかりと明記されてます。そして1964年にノンデニムの商品を「ホワイトリーバイス」と呼ぶようになりました。
当時の定価は4ドル89セント
フラッシャー(紙タグ)をよく見てみると値段が記載されており、1960年代当時はピケパンツの定価は4ドル89セントだったようです💰
ちなみに1949〜1971年まではブレトン・ウッズ体制の下で1ドル=360円の固定相場だったので、当時の日本円で約1,800円だった計算になります。
また当時の1円の価値を現在の消費者物価指数から算出すると約5.4倍になるので、当時の4.89ドルは現在の日本円で約9,720円の価値になります。
若者向けのカジュアルパンツとして考えると、この911Bピケはそこそこ高価な値付けだったのかも知れません。
紙パッチやジッパーのディテール
今回購入したデッドストック品はフラッシャーはもちろんのこと、紙パッチも完璧に残っています👍
サイズはパッチ表記でW30と私にしてはギリギリの細さ…。しかしコロナ自粛が始まってから毎日自宅でエクササイズしてるので、例え少し縮んでも大丈夫、なハズ(笑)
ちなみにレプリカのリーバイスピケは防縮加工でも3%縮むみたいなので、このオリジナルはどれくらい縮むのか…。ベルベルジン静岡のオーナー曰く「ウエストはほとんど縮まないし、多少縮んでも穿いてたら伸びる」とのこと。
この個体のボタンは505などのプリシュランク系デニムと同じブロンズ色で、ボタン裏の刻印はアルファベットの「E」になります。
ジージャンだと557XXのギャラなし時代から「D」や「O」などのアルファベットが使われるようになったので、時代背景は一致してます。
ジッパーはタロン製で、505でよく見られる「42」の刻印は無し。ウエスト上部のステッチはシングルで、何と「フロントVステッチ」仕様になってて、なんか得した気分です笑。
デッドストック1stウォッシュの儀式
それではいよいよ価値を半減させる1stウォッシュの儀式を執り行ないます笑。でも洗わないと着られないし、着ないと洋服として意味がないので仕方ないです😂
まさかゴールデンウィーク中に2回もデッドストックを下ろすことになるとは、自分でも予想してなかったですが…。
今回はウエストを極力縮めたくないので真水を使って洗います。洗剤はガッチリ汚れを落とすタイプを使用。本当は粉タイプの洗剤を使いたかったんですが、今回は真水に溶けやすい液体タイプを選択しました。
5分間つけ置きした後の洗濯液は汚れが黄色く溶け出しました🤮 かれこれ60年近く前のヴィンテージアイテムですが、デッドストックとは言え汚れが溜まっていたのが分かります(画像1枚目)。
すすぎ後は洗濯機で1分間脱水します。完璧に残ってる紙パッチがバキバキに割れないか不安でしたが、もし割れたら取り外す覚悟で脱水槽へブチ込みます。
幸い脱水機から出てきた911Bの紙パッチは割れることなく無傷に帰還してくれました! ただし元々解れがあった赤タブはフサフサになっちゃいましたが😭
1stウォッシュ後の縮みについて
今回はデッドストック品の1stウォッシュと言うことで、全ての工程においてかなり慎重に施行。また乾燥に関しても縮みを最小に抑えるため陰干しを実施しました(画像1枚目)。
そして乾燥後の状態が写真中になります。見た目の変化はほとんど無く洗濯によるシワが発生しただけで経年変化による汚れも取れませんでした💦
また細部をチェックすると、錆が発生していたリベットは更に錆がパワーアップしたように見えます(写真下)。しかしレプリカではまず見られない現象なので、オリジナルのオーナーとしてはむしろ鼻高々です。
最も気になるのは洗濯後の実寸の変化ですが、なんとレングスが5mm縮んだだけでウエストは全くと言っていいほど変化無し!
またウエストやレングスのサイズだけでなく、全体的なシルエットもほぼ…と言うか全くと言っていいほど変化無し。「ほとんど縮まない」とおしえてくれたベルベルジン静岡オーナーのコメントは間違っていなかったです🙇🏻♂️
ただしレングスは長すぎるのでもう少し縮んでほしかった…なんて言ったらワガママですよね😅
デッドストックの911Bピケまとめ
と言うことでデッドストックから下ろしたリーバイス911Bピケパンツについて書いてきましたが、紙パッチも割れずほとんど縮むこともなく1stウォッシュを終了することができました!
ただし元々丈が長い上、裾幅18.3cmとスリムなシルエットを大幅にロールアップして穿くのはとてもダサいけど、裾上げすると価値は更に暴落します。しかしデッドストックを洗った時点で既に価値は下がってるし笑、自分で穿き潰す予定なので、思い切って裾上げします。
写真下のようにオリジナルの裾はチェーンステッチ仕上げなので、ユニオンスペシャルを持ってる近隣のリペアショップを探してチェーンステッチで裾上げする予定です。裾上げ後に911Bピケのコーディネート画像と共に改めてチェーンステッチの様子をお伝えします。
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