4着目の購入となったヴィンテージバブアー
2019年12月に初めてヴィンテージバブアーのゲームフェアを購入した筆者ですが、通販で送られてきたのが超絶臭い個体だったので速攻でヤフオク行きとなった苦い経験をしております笑。とは言えヴィンテージバブアーだけが持つ枯れた雰囲気は格別にカッコ良いので臭くなければ手に入れたい、と考えていました。
そんな中2021年初旬に筆者が当時通っていた名古屋の古着屋CROUT栄で出会ったのが90sバブアーのバーレーになりますが、これがビックリするくらい臭くなかったのです!これがどのくらい臭くないかと言うと、衣類カバーを掛けてクローゼットに収納しても臭いが全然気にならないレベルです。
「やはりヴィンテージバブアーの匂いには個体差があるな」と感じた筆者は、90sインターナショナルスーツと90s縦型4ポケット初期モデルのビデイルジャケットを立て続けにヤフオクで購入しました。とは言え臭いに関しては運任せですので、インターは臭くなかったもののビデイルは残念ながら臭かったのです😭
そんな臭いビデイルジャケットは残念ながら部屋で保管するのは厳しいので、実は営業車のトランクに隔離収納していたりします笑。しかしビデイルは気に入っているものの臭いバブアーを着続けるのは精神的に苦痛を伴うので、近々洗濯しようと考えています(バブアー洗濯記事は後日UPします)。
臭かったり臭くなかったり当たり外れを繰り返している筆者ですが、まさかたったの2年間で4着もヴィンテージバブアーを購入することになるとは夢にも思いませんでした笑。前回の記事でご紹介しましたが、先日の名古屋の古着屋入荷日に潜入した際に大好きな古着屋Archaicで出会ってしまったのです💦
それが80sヴィンテージバブアーのソルウェイジッパーになります。このソルウェイジッパーはヴィンテージバブアー愛好家の中で絶大な人気を誇っており、短丈フライフィッシング用モデルのスペイと人気を二分するモデルになります。今回はソルウェイジッパーの歴史やディテール、コーデについて書いていきます。
60年以上の歴史を持つ元祖スポーツモデル
まずは簡単にバブアーの歴史から紹介しますが、創業は1894年でなんと120年以上の歴史を持つ老舗アウトドアブランドになります。ただし創業当時は漁師用にオイルドクロスを使った防水ジャケットを作っており、現在のアウトドアブランドというよりは作業着メーカーとして創業しております。
その後バブアーの防水ジャケットは漁師だけでなく炭鉱や林業の労働者にも広まり、バブアー創業の地であるサウスシールズで認知されていきました。また1914年に勃発した第一次世界大戦ではバーバリーと同様にイギリス軍にミリタリーウエアを納入するなど、英国全土で認知されるようになりました。
さらにバブアーの人気を世界的に広めたモデルとして、1936年にモーターサイクルレース用に開発されたインターナショナルジャケットが誕生します。当時は富裕層の間でモーターサイクル=バイクのレースが流行しており、2代目社長マルコム・バブアーの息子であるダンカン・バブアーが目を付けて開発しました。
出典:flicker
インターナショナルジャケットで世界的に人気を博したバブアーですが、第二次世界対戦の頃はまだ漁師向けの防水ジャケットとバイク用ライダースジャケットがメインのブランドでした。そこでカントリースポーツ用に初めて開発されたモデルが1960年に登場したソルウェイジッパーになります。
カントリースポーツといえばイギリス発祥の乗馬・ハンティング・フィッシングなどを指しますが、当時は主に王族や貴族などの上流階級の人が嗜むスポーツでした。そして彼らにソルウェイジッパーが認められることで、1974年にエディンバラ公より初めて英国王室お墨付きのロイヤルワラントを授与されました!
さらにエディンバラ公のロイヤルワラント授与を皮切りに1982年にエリザベス女王から、1987年にチャールズ皇太子からロイヤルワラントを授与されて3ワラントを獲得しています。このソルウェイジッパーは作業着メーカーから英国王室御用達ブランドへ変えたエポックメイキングなモデルとなりました。
80年代製2ワラントモデルのディテール
出典:ヤフオク!
それでは80sヴィンテージバブアーの特徴について、今回購入したソルウェイジッパーのディテールをチェックしながら紹介していきます。まずバブアーのタグですが74〜82年が1ワラント、82〜87年が2ワラント、そして87年〜が3ワラントになります(2022年9月エリザベス女王没後は2ワラントに変更)。
今回筆者が購入した80sソルウェイジッパーは製造期間が5年と3モデルの中で最も短い2ワラントなので意外とレアなアイテムになりますが、とは言え1ワラントの方が古いのでタマ数は少ないです。その80sバブアーにしか見られないレアなディテールとして代表的なのがブラウンカラーの襟になります。
このブラウン襟は80s以前のバブアーにしか見られないディテールなので、襟の色を見れば一目でヴィンテージバブアーだと見分けられます。しかし80sバブアーは必ずしもブラウン襟ではなくダークブラウン襟の個体も多く存在しているので、ヴィンテージバブアー愛好家にはたまらないディテールになります🤤
出典:ヤフオク!
さらに今回購入した80sソルウェイジッパーの凄いところはブラウン襟なだけでなく、セージグリーンがブラウンカラーに変色したレアピースな点に尽きます(画像1枚目)。「これ元々のカラーがラスティック(ブラウン)なんじゃないの?」と思われるでしょうが、ライナーのチェック柄からセージだと確認できます。
このようにブラウンカラーに変色する個体はどうやらYKK棒ジップ時代の2ワラントソルウェイジッパーに見られるようで、多分に漏れずこの個体も同じ仕様でした。ちなみにYKKの棒ジップは1ワラント最終モデル〜2ワラント初期モデルの1984〜86年にしか採用されなかったレアなディテールになります。
しかも欠損していることが多いソルウェイジッパーのウエストベルトですが、オリジナルベルトが付属している点が重要だったりします。実はコンディションだけでなくウエストベルトの有無で相場が大きく変わり、ベルト無しだと5万円前後のところベルト有りだと10万円前後まで高騰してしまいます💸
8ozヘビーウェイトの生地感と着丈について
このソルウェイジッパーを名古屋の古着屋Archaicで試着した時は興奮していたので気付きませんでしたが、自宅に帰って試着した時に「なんかメチャクチャ重たいな…」とソルウェイがヘビーウェイト仕様だったことに気付きました笑。ほぼ同じ着丈のボーダーやゲームフェアに比べたら確実に重たいです。
バブアーを代表するビデイルやビューフォートをはじめ、多くのモデルではミディアムウェイト(6オンス)を採用しています。しかしソルウェイジッパー・インターナショナルなど一部のモデルでは過酷な環境に耐えられるようヘビーウェイト(8オンス)を採用することで、防寒性と耐久性を上げています。
私が1日だけヘビーウェイトのソルウェイジッパーを着た感想ですが、最初は肩にズシっときますが慣れたらミディアムウェイトと大して変わらないと感じました。また気になる防寒性ですが、ヘビーウェイトだとしてもオイルドコットン自体に保温性があるわけではないので、ミディアムウェイトより少し暖かいくらいです😅
またソルウェイジッパーの着丈ですが、ビューフォートより長くボーダーよりも短い太もも半分くらいの着丈でどの身長の方でも使いやすい丈感となっています。ちなみにビューフォートの着丈は75cm程度なので、スーツの上に着るとちょうどジャケットが隠れる長さになっています(画像1枚目の左)。
そしてイギリス本国で一番人気ボーダーの着丈ですが、178cmの筆者が着ても膝上までくるロング丈となっています(画像1枚目の真ん中)。ここまで着丈が長いと正直着る人を選んでしまいますが、その点ソルウェイジッパーの着丈であれば誰にでもオススメできる着丈だと感じました。
またソルウェイジッパーと同じ丈感のモデルとしてゲームフェアやノーザンブリアがありますが、見た目における最大の違いとしてウエストベルトの有無があります。正直シンプルなデザインのミドル丈アウターは野暮ったく見えがちですが、ソルウェイの場合ウエストベルトがアクセントとなり洒落て見えます!
アメカジオヤジのヴィンテージバブアーコーデ
ここではアメカジオヤジの筆者が考えるヴィンテージバブアーの最適なコーデについて、今までinstagramに掲載したpostを中心に検証していきます。まず自分で組んでおきながら「これはイマイチ合わなかったかな?」と感じたのは、タイドアップしたドレス×カジュアルのMIXコーデになります。
やはりヴィンテージバブアーは見た目のラギッド感が非常に強いので、MIXコーデとはいえタイドアップとの相性は良くないかなと。。何なら縦型4つポケットのビデイルジャケットはパッと見は工事現場で着る「ドカジャン」にしか見えないので、そりゃネクタイと相性が良いわけがありません。。
逆にヴィンテージバブアーはイギリス物でありながら独自のラギッド感が強くアメリカ物のヴィンテージウエアとの親和性が非常に高いと感じています。なので個人的にはバブアーのインナーにヴィンテージのデニムジャケットを挟んだり、ヴィンテージのアメリカ軍チノパンを合わせることが多いです(画像2枚目)。
今回購入した80sソルウェイジッパーのコーデですが、通常のセージに比べブラウンに変色した個体の方がラギッド感が強くアメカジアイテムと好相性だと感じました。また通常のバブアーはブラックやネイビーなど寒色系カラーが多いですが、このブラウンはと暖色系カラーなので白パンツとの相性も良いです。
さらにソルウェイジッパーと言えば外せないパーツとしてウエストベルトがありますが、ベルトをしないでラフに着るも良し、ベルトをギュッと絞ってダンディに着るも良しとコーデのバリエーションが増やせるのも人気の理由かと思います。個人的には春秋はラフに着て、真冬はベルトを締めて着る予定です。
また気になるソルウェイジッパーのサイズ感ですが、ヴィンテージバブアーに共通して言えることは袖丈が短めの設定になっている点になります(特にバーレーは短いので要注意!)。筆者が購入した個体はサイズ42とマイサイズ38より2サイズも大きいですが、袖丈に関してはジャストだったことをご報告します。
ヴィンテージのソルウェイジッパーまとめ
と言うことで今回は名古屋の古着屋Archaicの入荷日に潜入して購入した、80sソルウェイジッパーのディテールチェックと大人コーデについて書いてきました。この個体がレアなブラウン襟なだけでなく、YKK棒ジップ時代に見られるセージカラーがブラウンに変色したレアアイテムだと判明しました。
またソルウェイジッパーはインターナショナル同様に8オンスのヘビーウエイト仕様なので手に持った時に重く感じますが、着てしまえば重さはそんなに気になりませんでした。そしてブラウンに変色したおかげで暖色系コーデもこなしてくれますし、付属のベルトを絞って着たりと色々なコーデが楽しめます。
最後に読者の方が最も気になるヴィンテージバブアーの臭いですが、古着屋で試着した時は興奮していて気付かなかったけどこの個体もメチャクチャ臭かったです笑。しかしセルフクリーニングを3回実施してオイルを極力落とさず縮めず臭いだけを除去することに成功しました。バブアーの洗濯記事は後日UPしますのでお楽しみに〜。以上です!
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