冬に薄手のスプリングコートでは寒すぎて…
デニムジャケットやカバーオールだけで快適に過ごせる秋の気候はそろそろ終わりを告げ、いよいよアウターが必要になる冬がやってきます。街を歩いていると、ちらほらコートを着ている人を見かけるようになりました🧥
40代オヤジである筆者も当然コートを所有してますが、実は恥ずかしながら手持ちのステンカラーコートは90sのLLビーンのみ。しかもコットンポプリン生地のスプリングコート仕様なのでペラッペラなんです笑。
秋に着るには防寒性の面で全く頼りにならず、かと言って春に着るには季節的に短すぎて2〜3回くらいしか登場機会がありません。そう考えるとスプリングコートは洒落ているもののコスパが悪いアイテムですよね。。
とは言えベージュやネイビーのステンカラーコートが醸し出すアダルトの雰囲気は非常に魅力的で、ジージャンやカットソーの上に羽織るだけで簡単に大人カジュアルが完成してしまいます。
膝丈ほどのロングレングスのアウターをヒラヒラと裾を羽ばたかせて颯爽と街を歩いたらカッコいいだろうなぁ〜、と妄想しちゃうほど今年の冬はステンカラーコートが欲しくなっていた私。。
と言うことで今回はON/OFF着られるのは当たり前として、古着愛好家も納得のディテールを備えたアナトミカのシングルラグランコートを購入しましたので、ディテールやサイズ感について書いていきます。
高騰極まりない一枚袖のバーバリー
ここ数年でユーロミリタリーやユーロワークなどのヨーロッパ古着が若者の間で大流行していますが、その影響を受けて古着のバーバリーの相場が軒並み高騰しております。
その中でも特に人気なのが、肩の柔らかいシルエットが美しくタマ数の少ない通称「一枚袖」と呼ばれるラグランコート(特にコットン100%生地)がびっくりするほど高騰しており、古着屋で稀に見つかったとしても10万円前後します。
私の古着仲間であるオルネカルネさんは3年前にゲット済みで、高騰する前に手を出すあたり素晴らしい嗅覚の持ち主です笑。また氏のブログでバーバリーの一枚袖について詳しく書かれていますので、是非読んでみてください!
筆者もヴィンテージ愛好家の端くれなので、古着のコートに10万円出すことに抵抗感は全くないのですが、とにかくサイズとコンディションが揃った個体が全然見つからないのであります。
更に言うとアメリカ古着にしか興味がないので、ユーロヴィンテージに大枚をはたくことに若干の抵抗感が…。以前に購入したフランス軍M-47パンツやアトリエコートにもイマイチ価値が見出せないし😂
以上の理由から、今回はヴィンテージバーバリーではなくバーバリーの一枚袖ラグランコートを拘って再現したブランドから選ぶことにしました。ヴィンテージ古着愛好家としては少し邪道かもしれませんがお許しください笑。
オーベルジュかアナトミカのコートで迷う…
バーバリーの一枚袖ラグランコートを再現しているブランドを探していくと、最終的に行き着きたいのはAUBERGE(オーベルジュ)とアナトミカの2ブランド。
皆さんご存知のアナトミカは以前に当ブログでご紹介したビーチクロスベストを購入してますので馴染みがありますが、オーベルジュは初めてブランド名を聞かれる読者の方も多いかと思います。
オーベルジュは古着研究家として有名なファッションデザイナーの小林学氏が立ち上げたブランドで、他にも雑誌ビキンでよく取り上げられていたSLOW GUN(スロウガン)も小林氏のブランドです。
小林氏はヴィンテージの生地や縫い方などの知識だけでなく、ファッションデザイナーの観点からパターンまで考察されています。また小林氏が発信されているYouTubeの商品説明動画は本当に勉強になります。
特にこのバーバリーの一枚袖ラグランコートとヴィンテージのリーバイス501についてはめちゃくちゃ勉強になりますので、興味のある方は是非AUBERGEチャンネルをご覧になってみてください!
この小林氏の拘りが詰まったオーベルジュの一枚袖ラグランコートの購入を本気で検討しましたが、対抗馬のアナトミカも負けず劣らずの魅力があって迷いに迷うわけであります。。
ヤフオクでミントコンディションを購入
「いや〜、マジでどちらも甲乙つけ難いなぁ」と悩んでいた時に、ふとヤフオクで検索するとミントコンディションのアナトミカのシングルラグランが格安で出品されているではないですか!
本当はONスタイルでも着たいので新品を検討してましてが、狙っているベージュカラーでマイサイズの48かつほぼ着用感のないミントコンディションときたら、もはや買わない理由が見つからない…。
ここ数年はすっかり古着しか買わなくなってしまったので、現行品の中古でも全く気にならなくなりました。しかもリサイクルってエコだしサスティナビリティ(社会と地球環境の持続可能性)に繋がると考えているので、何の躊躇もなく購入しました!
シングルラグランコートのディテール
それではアナトミカのシングルラグランコートのディテールをチェック。まず初めに生地を見ていくオリジナルの高密度コットンギャバジンを使用しており、上品な光沢とハリ感があるだけでなく高い撥水性も備えています。
この打ち込みの多いコットンギャバジン生地は秋〜初冬にかけて羽織る分には充分な防寒性がありますが、真冬に着るとすると相当中に着込まないと寒いかと。。しかしゆとりのあるシルエットなので余裕で着込めますね。
またポケットはヴィンテージのバーバリーやアクアスキュータムでも採用されている貫通ポケットを踏襲しており、コートの中に着たジャケットのポケットから物を取り出せる優れた仕様になっています。
下:90s LLビーンスプリングコートの二枚袖
そしてアナトミカのシングルラグランコート最大の特徴は、シングルラグランの名の通り一枚袖であることです。通常のコートは肩周りをスーツの肩山に合わせられるようあるニ枚袖で作られています。
昔のスーツは肩パットを用いた構築的な造りが一般的だったので、ラグランコートに合わせると角張って見えます。そこで二枚袖にすることでスーツの肩山のカーブに合わせたわけですが、残念ながら見た目は肩が丸くポコッと浮いて見えます。。
しかし時代は移り変わり、男らしさよりリラックス感を求めてエフォートレス(頑張ってない)なスタイルにシフトしてますので、ナチュラルなショルダーラインでゆったりしたシルエットの一枚袖が注目されるのも納得です。
ベストなサイズ感やシルエットについて
それではアナトミカのシングルラグランコートのサイズ感やシルエットについて見ていきます。このコートはゆとりのある大きめの作りですが、178cm標準体型の筆者が選んだのは通常より1サイズ上のサイズ48になります。
ただでさえ大きめの作りなのに、何故1サイズ上を選んだか?それは今のトレンドにあわせたからではなく、アナトミカのデザイナーであるピエール フルニエ氏がこのコートを大きめに着ることを推奨しているからなんです!
実はシングルラグランコートはアナトミカの立ち上げと同時にリリースされましたが、発売されてから一度たりとも寸法を変えていない完成されたサイジングなのです。よってこのアナトミカの定番品に対するオマージュとして推奨されたサイズをチョイスしました。
このシングルラグランコートは画像の通りAラインのシルエットになっておりますが、実はアナトミカのスタッフにも「特に横から見た時にAラインになるようなゆとりのあるサイズを選んでほしい」とアドバイスされてました。
私のサイズ48も横から見ると身幅にかなり余裕がある裾広がりなシルエットになっているのが分かります。また袖丈はオーバーサイズを選んでも長すぎずほぼジャストでした。
更に見た目の印象を左右する着丈に関しても178cmの筆者でちょうど膝丈なので、スーツの上に着用しても一昔前の刑事ドラマみたいになりません笑。これはON/OFF活躍してることは間違いなさそうです!
アメカジオヤジのラグランコートコーデ
この定番アイテムであるベージュのラグランコートですが、アメカジオヤジの筆者が着こなすならいつも通り大好物のデニムジャケットの上にガバッと羽織るコーデにすると思います。
今回はあえて上下デニムというコスプレ的なコーデをしましたが笑、そんなアメカジ血中濃度の高いスタイリングだけでなく、どんなカジュアルアイテムともマッチしてしまう親和性の高さが一枚袖ラグランコートの魅力です。
その高い親和性の理由はおそらく、一枚袖の肩に沿った曲線が醸し出す熟れ感がカジュアルアイテムとの親和性を高めていると考察します。これが角張ったショルダーだとカチッとしてしまい、ここまでカジュアルに合わないかなと。。
こちらではパンツをウールのスラックスに変更しましたが、もちろん相性バツグンです。ただしラグランコートにスラックスだと固く見えてしまうので、インナーやバッグでカジュアル感を足してバランスを取るのもアリかと思います。
また私は古いタイプの人間なのでコートの襟を立てて着ることを好んでますが、もし今風に着こなしたいなら襟を寝かして一番上のボタンを閉じてAラインを強調するコーデが良さそうです(私には無理ですが笑)。
更にスーツやジャケパンスタイルをメインにされている方でも、このシングルラグランコートを合わせれば肩の柔らかい雰囲気のおかげで熟れて見えるでしょう。セットインスリーブコートをオーバーサイズで肩を落として着るのは、ONスタイルではただ単にダラシなく見えるだけですからね😅
定番のアナトミカ一枚袖コートまとめ
と言うことで今回はヴィンテージの一枚袖バーバリーを再現したブランド、アナトミカのシングルラグランコートについてお届けしました。この高密度コットンギャバジンの生地やAラインのシルエット、一枚袖による肩周りの柔らかい雰囲気に惚れ込んでしまいました!
元ネタとなっている一枚袖バーバリーはツチノコ級にレアなヴィンテージアイテムとなってしまったので、もし私のように一枚袖の柔らかい雰囲気さえ味わえればレプリカでも問題ないという人にはオススメしたいコートです。
またレプリカブランドの気になる定価ですが、アナトミカでもオーベルジュでも10万円台前半と決してお安くないですが、普遍的なデザインで一生着られることを考慮すればむしろコスパが高いです。かく言う私もジジイになっても着続ける予定です笑👴🏼
またベージュのシングルラグランコートはウールパンツはもちろん、ヴィンテージのデニムパンツまで似合ってしまう守備範囲の広さもお気に入りのポイントでありオススメしたい理由の一つでもあります。
またスーツやテーラードジャケットの上に着用した場合でも、一枚袖のコートはジャケットのショルダーラインに沿って自然に落ちていくのでカジュアルになりすぎずONスタイルにもバッチリ合わせられるのでご安心ください!
ON/OFF共に活躍すること間違いない上に、高密度コットンギャバジンのエイジングも楽しめるアナトミカのシングルラグランコート、気になる方は是非お近くのアナトミカ直営店に行ってみてください!