臭い個体に当たる確率が高い古着のバブアー
2021年2月に90sバブアーのバーレーを購入してからヴィンテージバブアーの魅力にどハマりした筆者ですが、気付いたら1年9ヶ月の間に合計4着も古着のバブアーを購入していました。もちろん現行バブアーも魅力的ですが、ヴィンテージバブアーにしかない独特のラギッド感に魅了されてしまいました。
このバーレーは古着屋で実物を試着した上で臭くないことも確認してから購入したので、クローゼットに収納しています。続いて購入したインターナショナルジャケットはヤフオクで落札したので臭いは心配でしたが、奇跡的に臭くない個体に巡り会えたのでこちらもクローゼットに収納しています。
もちろんオイルドクロスが他の洋服に触れるとオイルが移ってしまう可能性があるので、バブアーを収納するときは必ず衣類カバーを掛けてからクローゼットに収納しています。2着続けて臭わないバブアーに当たった為、「ヴィンテージバブアーは思ったより怖くないじゃん!」と調子に乗ったのが運の尽きでした。。
ほぼ無臭のインターナショナルジャケットに続いて、またもヤフオクで購入したのが縦型4つポケットの90sビデイルジャケットになります。出品画像からオイルもそこそこ残っているしコンディションも良さそうなので落札しましたが、家に届いたビデイルは部屋に置いておくのも嫌なほど臭かったのです😭
このビデイルはバイク乗車用に購入したのもあったので、とりあえずバイクに乗る時以外ら物置きにでも置いておくことにしました笑。しかし冬の物置きは気温が非常に低いので、いざ取り出して着ようとするとオイルが固まってカチカチになってしまいます(着て暖まると柔らかくなるけど)。
そして極め付けは古着屋で購入した2ワラントYKK棒ジップのソルウェイジッパーですが、実物を確認しているにも関わらず買い物でテンションが上がりすぎて臭いに気付かなかったという失態を犯すことに。手元に臭いバブアーが2着ある状態になった筆者はいよいよ洗うことを決意したのであります!
臭い除去の記事はオイル抜きがほとんど…
バブアーの臭いを除去すると言われてまず思い浮かぶのが、いわゆる「オイル抜き」と呼ばれるオイルドクロスのオイルを除去することで臭いを減らす方法になるかと思います。実は筆者も2007年11月に初めてオイル抜きをチャレンジしましたが、その理由は臭い除去ではなく艶消しが目的でした。
当時オイル抜きを試したモデルはA&Fカントリーで購入したラセットカラーのビューフォートジャケットでしたが、45℃の熱湯シャワーを浴びせ続けることでオイルが抜けてツヤツヤだった表面がマットに変化したことを思い出しました(画像右がオイル抜き後)。もちろんお風呂の床はベトベトになりましたが笑。
2007年当時は旧式のソーンプルーフオイルが使用されていたので現行のオイルに比べて臭いは強かったですが、それでもヴィンテージバブアーに比べれば臭いは余裕で耐えられるレベルでした。ちなみに熱湯シャワーでオイル抜きをすれば、当然オイルの臭いもかなり軽減されることは言うまでもありません。
今回ヴィンテージバブアーの臭い除去をしたくてインターネットで色々と調べてみましたが、残念ながらどのブログでもオイル抜きをすることで臭いを軽減する方法しか見つかりませんでした。もし現行バブアーで風合いを変えたい場合であればオイル抜きは参考になりますが、今回はオイルを抜きたくありません。
何故ならヴィンテージの雰囲気が気に入って購入したバブアーのオイルを抜いてしまっては、せっかくのオイルドクロスの風合いが台無しになってしまうからなんです。このヴィンテージバブアーのオイルは抜かずに臭いだけ除去できないか…と考えた時に、そもそも臭いの原因は何なのかが気になりました。
まず原因として考えられるのは、ヴィンテージバブアーに用いられる旧式のソーンプルーフオイルの臭いになります。しかしオイルドクロス以外にもコットンライナーやコーデュロイの襟も臭いことから、オイル以外にも経年劣化やカビによる臭いも考えられるのではないかと考察するようになりました。
オイルを極力落とさないで洗濯する方法とは
では臭いヴィンテージバブアーのオイルを極力落とさずに臭いだけを除去する為にどうしたら良いのかを考えたところ、まず最初に着目したのが洗濯に使うお湯の温度になります。このお湯の温度が高ければ高いほどオイルは溶けてオイルドクロスから抜けやすくなるのは素人が考えても簡単に分かります。
そこで今回の作戦を実行するにあたり、洗濯に使うお湯は洗剤のパワーが発揮できる最低レベルの30〜32°Cのぬるま湯にすることに決めました。本来であれば洗剤に含まれる酵素パワーが最大限に発揮される温度は36〜37°Cだと言われていますが、その温度にするとオイルがぬけやすくなるリスクがあります。
その点32℃で設定したぬるま湯であれば寒い時期ならすぐに冷たくなるので、オイルドクロスからオイルが抜ける心配はありません。それでいて洗剤を投入した直後はそこそこの温度をキープしているので、洗濯初期に酵素パワーを活用して臭いの除去ができるのではないかと考えたわけです。
そして臭い除去で最も重要な使う洗剤の種類ですが、洗濯ブロガーの異名を持つ筆者としては粉末タイプの酸素系漂白剤は絶対に欠かせないと考えています。読者さんの中には「漂白剤なんか使って大丈夫なの?」と考える方もいるかと思いますが、ハッキリ言って普通の洗剤よりよっぽど安心して使えます!
一般的な漂白剤といったら混ぜたら危険な「塩素系」を思い浮かべますが、そちらを使ったらもちろん一瞬で色落ちしてしまいます笑。しかし酸素系漂白剤であれば色物でも使うことができますし(もちろん目立たない部位でテストが必要)、洋服へのダメージもほとんどないのも推奨する理由になります。
さらに今回の洗濯で最も大切な臭いを除去する点においても、酸素系漂白剤は普段使う洗剤では落としきれないニオイ菌まで除菌できるのと消臭作用が期待できます!ただし酸素系漂白剤だけでは臭いバブアーにはパワー不足だと考えたので、通常使用する洗剤を併せて使うことで最大限の消臭効果を期待しました。
まずは4ポケットビデイルジャケットで試す
いよいよ思い切って洗濯する決意をした筆者ですが、いきなり高額なソルウェイジッパーを洗う勇気はなかったので笑、4ポケットビデイルジャケットで試すことにしました。まずは酸素系漂白剤(ワイドハイターPRO強力分解パウダー)と通常使用する洗濯(SUPER NANOX)を32℃のぬるま湯に投下しました。
そして10分つけ置きした後に軽く押し洗いしたところ、お湯はアニメに出てくる沼みたいな緑色に変色していました。。ちなみに表面のオイルを極力落としたくないので、洗濯する際も裏返してライナーを中心に押し洗いしました。またオイルドクロス面を押し洗いすると、当然ですが手がヌルヌルします。
その汚いお湯を流してすすぎ洗いをした後が大事で、実は臭いには匂いで制することができるのではないかと考察していました。そこで今回は実験的に柔軟剤+アロマビーズの匂いコラボを投入することでバブアーがどのような香りになるのか試してみました。ちなみにアロマビーズはぬるま湯だと5〜10分で溶けます。
アロマビーズが溶けてしっかりビデイルジャケットに香りが染み込んだら(大体10分前後)、脱水機に掛けずびしょ濡れのまま外で陰干しします。ここで最も重要なことは脱水機は絶対に使ってはいけない点で、洋服の縮みの大きな理由の一つが脱水機だと複数の古着屋オーナーから教えていただいたのが理由です。
そして直射日光を当てると温度が高まり縮みの原因になりますので、可能な限り日陰かつ風通しの良い場所で乾燥させたいところです。また内側のタータンライナーが乾きづらいので、裏返して干した方が乾燥までに掛かる時間が短縮されます。ちなみに今回バブアーの乾燥までに掛かった時間は5〜6時間でした。
そしてここから洗濯後の変化について報告します。まず見た目ですがオイルが少し抜けてパサっとした風合いに変化しましたが、気になる洗濯後の縮みは着丈が5mm短くなった以外は裄丈・身幅に変化なしでした!しかも5mmなんて誤差範囲なので、32℃のぬるま湯での押し洗いならほぼ縮みは発生しないと考えて良さそうです。
そして最後に最も重要な臭いについてですが、アロマビーズの香りの奥にこっそりオイルの臭いがいる程度に変化しました。要するにオイルの臭いをアロマビーズが押し切って香りの主役を入れ替えた形になります。また臭いのレベルですが、部屋のクローゼットに収納しても気にならないほど低下しました👃
臭いソルウェイジッパーを4回洗濯してみた
縦型4ポケットビデイルジャケットの臭い除去に成功し自信をつけた筆者は、いよいよ本命である2ワラントのソルウェイジッパー洗濯を施行することにしました。確かにビデイルはオイルが少し抜けてセージカラーが明るくなりましたが、気になるようであれば臭いの少ない現行のオイルを入れれば問題ありません。
しかもこのソルウェイジッパーは既にセージがブラウンに変色した珍しい個体である為これ以上の変色はほぼないと確信していました。あとはサイズ感を変えることなく臭いだけを除去できれば、今回の洗濯方法は成功したと言えます。ちなみに個人的な経験によると90sより80sバブアーの方が臭いが強烈です😭
そしてビデイルと同様に32℃のぬるま湯にワイドハイターPRO極力分解パウダーとSUPER NANOXを同時に投下し、裏返したソルウェイジッパーを10分程度漬け込んでいきます。すると…洗濯水が泥水のようにメチャクチャ汚れているじゃないですか!仕方ないので水が透明になるまで合計4回も繰り返しました。。
やはりぬるま湯とは言えオイルは溶け出すので洗濯後の洗面台はオイルまみれになってしまいますが、お風呂用洗剤とスポンジを使えば簡単にオイル汚れは落とせるのでご安心ください。またこの洗濯方法を試してみたい方はお風呂での施行ではなく洗面台か大きめのタライを使うことをオススメします。
すすぎ洗いまで終わった後は柔軟剤+アロマビーズを投下しますが、筆者がオススメしたい柔軟剤は消臭効果も期待できるP&Gのレノア超消臭1WEEKになります。この柔軟剤はP&Gが以前の消臭カプセルを大改良した特許取得の強力な消臭カプセルが配合されているので、時間が経過しても消臭効果が期待できます!
よく考えてみると私が使っているアロマビーズもレノアですので、消臭&芳香に関してはP&Gが一歩リードしていると感じています。そして10分漬け込んでアロマビーズが溶けた頃に脱水機には掛けずびしょ濡れのまま外で陰干しをしますが、移動する際にバケツがあると床が濡れずに移動できるので非常に便利です。
4回洗濯前
4回洗濯後
洗濯したバブアーを干す際に気を付けたいのが、防水性の高い内ポケットに溜まった水を逆さにして出してから干すことです。特にソルウェイジッパーやビューフォートのようなハンティングポケットが付いているモデルは要注意で、ポケットの水を出さないといつまで経っても乾きませんから😅
そして4回洗濯する前と洗濯後に乾燥した画像を載せましたが、ハッキリ言ってどちらが洗濯前でどちらが洗濯後か分からないほど見た目に変化がありませんでした!また洗濯後の方がオイルドクロスの手触りがベトつかずサラッとした上、柔軟剤のおかげで柔らかい着心地に変化していました。
そして最も重要な臭いの除去に関しては4回も繰り返したおかけでレノア アロマビーズの香りが上回るようになりました。これでオイルドクロスのベタ付きや特有の臭いを気にせず着られるだけでなく、収納に関しても衣類カバーさえかければ他の洋服と一緒にクローゼットに保管しても問題なくなりました🤗
臭い古着バブアーの上手な洗濯方法まとめ
と言うことで今回は古着で購入した臭いバブアーのオイルを極力落とさず臭いだけ除去する方法について書いてきましたが、筆者が考える重要なポイントを以下に纏めてみました。もし冷水を使えばオイルをほとんど残したまま洗濯できると思いますが、最も重要な臭いの除去については疑問が残ります。
また臭い除去の為に熱湯を使ったオイル抜きをしてしまうと、縮みや生地にダメージが入る懸念があります。そこで行き着いたのは32°Cのぬるま湯を使って酸素系漂白剤と洗濯洗剤のパワーをほど良く引き出して臭いを除去する方法ですが、今回ビデイルとソルウェイジッパーの2着ともかなり臭いが軽減しました!
ただし濃い色=しっかりオイルが残っている場合は32℃のぬるま湯だとしても、オイルが軽く抜けただけで色が薄く変色してしまいます。ちなみに私は濃いセージグリーンが好みなので、現行バブアーの純正ソーンプルーフオイルを使って自分でリプルーフを施行する予定です(後日ブログに掲載予定です)。
逆に元々色が抜け気味の古着バブアー、ソルウェイジッパーに関しては、この洗濯方法を何度繰り返しても見た目の変化はほとんど出ませんでした。その上でこの洗濯方法では嬉しいことに、サイズの変化も全く起こらず平置き採寸した実寸も1〜2mmの誤差範囲で伸びたり縮んだりするだけなんです。
おそらく多くの方はサイズの縮みが怖くてオイル抜きに抵抗感があるかと思いますが、32℃のぬるま湯+酸素系漂白剤+洗剤を使った押し洗いであればその懸念を払拭できます!さらに仕上げとして消臭と芳香に特化したP&Gの柔軟性+アロマビーズを使えば、弱くなったオイルの臭いを閉じ込めることができます。
また現代社会では「スメハラ」と言って強い香りの芳香剤が問題となっていますので、ほど良い量のアロマビーズを使ってほのかに香るよう調整した方が良いでしょう。この洗濯方法は比較的低リスクなので、もし臭いバブアーで悩んでいる方は一度チャレンジしてみてください(自己責任ですが笑)。以上です!