真冬に着たいアメリカ軍で最も暖かいアウター
俳優の菅田将暉さんが着て若者の間で人気に火がついたアメリカ軍の最暖アウターECWCS GEN3 LEVEL7ですが、残念ながら近代ミリタリーに興味のないヴィンテージ古着愛好家の筆者には全然刺さりませんでした。しかしバイク仲間が着ていて「めちゃくちゃ暖かいですよ!」の一言で気になるアイテムに笑。
そこで色々と調べてみると「実物」「本物」「偽物」「レプリカ」など色々な個体が存在していることが判明し、安いからといって気軽に飛びつくのは危険なアイテムだと分かりました。やはり人気のあるアイテムは需要と供給のバランスが崩れているので、値段が高騰するとともに偽物も出てきますね。。
と言うことで今回は現在若者に大人気のミリタリーアウターECWCS GEN3 LEVEL7の偽物を掴まない為の見極めポイントと、我々オヤジがコーデする際に押さえておきたいポイントをレビューしていきます。最初から結論を申し上げると、まだお待ちでない方は早くゲットすることをオススメしたいアウターです!
そもそもGEN3とかLEVEL7って何なのよ?
アメリカ軍の近代ミリタリーはほとんど興味が無かったので、この機会に色々と調べて勉強した内容を読者の皆さんに共有します。まずECWCSとはExtended Cold Weather Clothing Systemの頭文字を取った略語で、世間一般では「エクワックス」と読まれています。
またECWCSの意味は拡張式寒冷地被服システムになるので、気温に合わせて被服を重ね着して調整していく仕様になっています。その重ね着のレベルはアンダーウェアのLEVEL1から始まり、フリースジャケットのLEVEL3やナイロンアウターのLEVEL6へとレイヤリングしていきます。
そして今回筆者が購入したアイテムが最も寒い地域に入った際に一番上に着る極寒冷地仕様のアウターLEVEL7になります。これだけの重ね着をすることになるので当然着膨れするわけですが笑、このLEVEL7はM-65フィッシュテールパーカー同様アウターの上から着られるよう相当大きめな作りになっています。
続いてGENって何なのよ?と初めて読む方は間違いなく疑問に思うわけですが、これはGenerationの略語で日本語で言うところの「世代」に当たります。よって先ほどのGEN3は第3世代のECWCSになりますが、それでは第1世代と第2世代にはどんなECWCSがあるのか気になるのが服好きあるある笑。
では世間一般で各世代の代表的なモデルを調べてみたところ、GEN1ではLEVEL6に相当する迷彩柄ゴアテックスパーカーが有名なモデルになります。過去記事でも書きましたがこのパーカーは30年前のいわゆる「裏原ブランド」が大ブームを起こした際、2GO氏が着ることで人気が出た思い出深い一着です。
続いてGEN2の代表的なモデルを調べてみると、この世代ではLEVEL3に当たるフリースジャケットが有名なモデルになります。こちらはポーラテック社のクラシック300という肉厚なフリース生地で、ミリタリーウエアには珍しいブラックボディを採用していることから人気の高い一着となっております。
偽物を掴まない為にチェックすべきポイント
実は筆者もECWCS LEVEL7のことを調べるまで偽物が出回るほど人気の高いアイテムだと知らなかったのですが、高いお金を支払って偽物を掴むのだけは絶対に避けたいところです。そこで偽物もしくはレプリカが確定するディテールについて読者の皆さんに共有しますので、確実に本物を入手してください!
まずはECWCS LEVEL7にはアメリカ海軍仕様のコヨーテカラーが存在し、通称ハッピースーツと呼ばれるレアなアイテムがあります。その中でもアウトドアブランド「ワイルドシングス社」が納入した個体が非常に人気ですが、そもそも球数が少ないので実物であれば相場10万円前後する高額アイテムです。
そのハッピースーツのロットナンバーが3197でJade Fashonの場合(本物はJade Apparel)は偽物で確定しますが、既にメルカリでも被害者が出ています。さらにブラックや迷彩柄のLEVEL7が販売されていますが、それらはアメリカ軍に納入された実物はなくレプリカになりますので気を付けてください。
先ほどは偽物情報をお伝えしましたが、「じゃあどのLEVEL7を買えば安心なのよ?」という声が聞こえてきそうです笑。そこでLEVEL7のメジャーな納入企業を以下に記載しましたが、これ以外にも存在しますので、その際はNSN(ナショナルストックナンバーの略語)をWEB検索するとISO GROUPのHPが出てきて実物の情報を調べられます。
このNSNとはアメリカ政府機関に納入されたアイテムには必ず付けられるナンバーで、モデル名だけでなく色やサイズまで厳格に管理されているのです。そこで筆者が購入したLEVEL7のNSNをググってみたところ、正式名称であるPARKA,EXTREME COLD WEATHERと記載されていました(画像2枚目)。
さらにアメリカ政府機関が管理しているISO GROUPの検索ページを下にスクロールしていくと、この個体のカラー(アーバングレー)とサイズ(M)が記載されていました。もし検索して色とサイズが違う場合は限りなく偽物の可能性が高いので、購入する前にNSNで検索することを強くオススメします。
・WILD THINGS(レアで偽物あり)
・Sterlingwear of Boston
・DJ Manufacturing
・TENNIER INDUSTRIES
LEVEL7のディテールと変化できるシルエット
それでは筆者がデッドストックで購入したLEVEL7のディテールをレビューしていきます。まずシェルの生地ですが、WILD THINGSでEPICという撥水生地が使われています。今回筆者が購入した個体はSterlingwear of Boston社製なので、MILLIKEN社(ミリケン)の撥水生地になります。
また撥水性能に関しては100回の洗濯に耐えられるEPICの方が上のようですが、ミリケン生地でも充分に水を弾いてくれます。また中綿に関してはコントラクターに関係なくALBANY社のプリマロフトが採用されています。「ダウンの8倍暖かい」と謳っていますが、個人的な感想では良くてダウンの2倍くらいかと…笑。
収納に関しては長財布が入るほど大きなポケットが表裏・左右に計4つ付いているので、バッグ無しで出かけることも可能です。そしてバイク乗りの筆者が最も気に入っているディテールが袖口のベルクロ付きアジャスターで、手首に合わせてギュッと絞れば風が入ってこなくなりツーリングでの着用も可能となります。
続いてLEVEL7のシルエットについてレビューしていきますが、レイヤリングシステムの中で一番上に着られるようダボっとしたシルエットになります。参考までに178cm標準体型の筆者がM/R(レギュラー=標準丈)を着用しましたが、身幅はかなり緩く袖丈は手の甲をすっぽり覆うほど長いです。
しかしこのゆったりシルエットのおかげで今っぽい雰囲気になりますし、インナーに肉厚なスウェットを着込めるので真冬に最適だと感じました。また袖丈に関しては手の甲を覆うほど長めであっても、袖口に付いたベルクロのアジャスターを絞れば手首で留まってくれるので問題ありません。
そしてLEVEL7で最も面白いと感じたのは、裾に付いたドローコードを絞るか絞らないかでシルエットが大きく変化する点になります。丸っこいシルエットで着たければドローコードを絞り、ストンとスクエアなシルエットで着たければドローコードを絞らないだけで2種類のシルエットを楽しめます!
大人のLEVEL7ミリタリージャケットコーデ
ここではアメカジオヤジの筆者が若者に大人気のLEVEL7を上手くコーデできるのかについてレビューしていきます。まずはフロントのジッパーは開けて着たコーデに関しては、装飾品が左右の胸に付いたボディ同色のマジックテープと同色のジッパーだけなので超シンプルな見た目になります。
良く言えばミニマルな今っぽいコーデに見えますが、悪く言うと没個性的なシンプルすぎるコーデにも見えます。よって個人的な感想としてはフロントジッパーを開けてインナーを見せて着ることで、レイヤーコーデを楽しみたいところです。ちなみにM/Rで着丈が78cmもあるので、インナーがはみ出す心配は要りません。
続いて襟に収納されたフードを入れたままにしたコーデを見ていくと、スタンドカラーのシンプルな印象でこれまたミニマルな雰囲気になります。しかしLEVEL7に付属するフードは中綿の入ったボリューム感のある作りなので、外に出して着ても立体感が出るので違和感はないので好みの問題になるでしょう。
もし筆者がタウンユースでLEVEL7をコーデするなら、間違いなく細身のデニムパンツではなく太めのワークパンツ(画像のはディッキーズ874)を合わせると思います。やはりLEVEL7は中綿が入ったふっくらとしたボリューム感がある見た目なので、太めのパンツでないと上下のバランスが取りづらいと感じました。
そしてアーバングレーのLEVEL7に合わせるパンツの色は、個人的にはブラックが最もコーデにメリハリが効いて似合っていると考えます。もちろん若者やファッション上級者の方は同色系で纏めるコーデも難なくできると思いますが、ファッションLEVEL1のオヤジである筆者には無理ゲーです笑。
また近代ミリタリーのLEVEL7は見た目がスポーティな為、足元は革靴よりもスニーカーの方が相性が良いと個人的に感じました。ただし近代ミリタリーだからと言ってハイテクスニーカーを合わせるのは難易度が超高くなるので、やはりオヤジにはコンバースやバンズなどのローテクスニーカーが間違いありません。
オヤジも冬に着たいECWCS LEVEL7まとめ
と言うことで今回は若者に大人気のミリタリーアウター、ECWCS GEN3 LEVEL7について書いてきました。ただし残念なことに大人気アイテムが故に偽物やレプリカが市場に溢れているので、必ずISO GROUPの検索ページでNSNを検索して実物(軍納入品)と確認してから購入してくださいね。
またヤフオクやメルカリで出回っているBAF社(Brooklyn Armed forcesの略語)は、アメリカ軍へ納入実績のあるコントラクターに依頼して制作していると説明されていますが、これは実物や本物に当たらずレプリカと一般的に認識されているので、安いからと言って手を出すのは危険かもしれません(画像2枚目)。
また我々オヤジが着こなせるか心配がありましたが、取り敢えず太めのブラックパンツを合わせておけば間違いありません。instagramでリサーチしてもほとんどコーデがブラックパンツを合わせているので、我々オヤジも真冬の寒い時期に取り入れて今っぽいコーデを楽しみたいところです。以上です!