ブラックカラーはトレンドから定番へ移行?
我々アラフィフオヤジは、2005〜2015年の約10年間流行ったクラシコイタリア系ファッションの洗練を受けた方が多いかと思います。当時のクラシコイタリアではネロ(イタリア語の黒)をコーデに取り入れることは禁じ手だと各種ファッション雑誌で書かれていたので、そのままアップデートできずにいました。
しかし時は流れて2020年代に入るとモノトーンコーデが流行ったりと、ブラックカラーを使ったコーデが市民権を得るようになりました。むしろブラックアイテムを使った方が今っぽく若々しいコーデに見えますし、それでいて子供っぽく見えないので積極的に使っていきたいカラーだと感じました。
そこで今回は春に着たいブラックカラーのスウェットシャツとスウェットパーカーを古着で探してみました。また大人気チャンピオンのリバースウィーブはブラックだと異常に高いので、お手頃価格で購入できる90sのいわゆるセミヴィンテージのアメリカブランドをご紹介していきます。
ビックリするほど高騰したブラックリバース
今さらながらブラックカラーの良さに気付いた筆者ですが、そうなると欲しくなるのがインナーアウター問わず使えるスウェットパーカー。その代名詞的モデルは言うまでもなくチャンピオンのリバースウィーブパーカーになりますが、探してみたところ2024年現在だと3万円台後半が相場でした…。
もちろん最初に発見した個体をみた時は「嘘でしょ?値札の付け間違いでは?」と勘繰っていましたが、ヤフオクで検索して事実だと認識しました。通常モデルである目付き無地リバースウィーブパーカーの相場は2万円台前後なので、いかにブラックリバースだけが特異に高騰しているのかが分かります。
とは言え一度欲しくなってしまった気持ちは購入しないと治らない性分なので、古着屋巡りでリサーチしたり古着仲間に聞いてみたりと探しまくることに。。すると埼玉県の「古着のメッカ」である大宮駅周辺の古着屋で、ようやくサイズ・コンディション・価格の三拍子が揃った個体に巡り会えました。そのお店は…
大宮のヴィンテージ古着屋TURFでブラックリバースウィーブパーカーを発見しました。実はアメブロでブログを書いていた2014年にリーバイス501bigEを2万円、2015年にタイプ物を3.5万円で購入した掘り出し物がある古着屋で、今回も相場より1万円近く安い掘り出し物と巡り会えました。
ちなみに178cm/66kgの筆者はリバースウィーブだとMサイズを選んでいますが、インナーアウター問わずに着るならLよりもジャストめなMの方が着回せるのが理由になります。それでもリバースウィーブは袖がモモンガのように太いので、Mをインナーに着るとアウターの袖はパンパンになりますが😅
またブラックリバースウィーブはコットン90%アクリル10%と綿比率が高いので、毛玉が発生することなく綺麗な墨グレーにフェードしてくれます。確かに魅力的なブラックリバースウィーブですが、目付き無地リバース相場の2倍ほどの高い価格帯なので誰にでもオススメすることはできません。
毛玉がほぼ発生しない90sのUSA製ラッセル
チャンピオンのリバースウィーブ以外で安くて魅力的なスウェットはないかな〜と古着屋巡りをしていると、群馬県のヴィンテージ古着屋TIMES ARE CHAINGIN’高崎本店でスウェットの生みの親であるアメリカブランド「ラッセルアスレチック」のスウェットコーナーを発見しました。
我々アラフィフオヤジが学生だった1990年台前半は、リバースウィーブもラッセルも並行輸入ショップで新品が5,000円くらいで買えました。また当時はそこまでリバースウィーブが重宝されていなかったのもあり、チャンピオン派とラッセル派で人気が二分されるほどラッセルも人気がありました。
しかし時は流れ2024年現在ではチャンピオンのリバースウィーブ一強と言っていいほど人気に格差が生まれてしまいましたが、ラッセルはリバースウィーブに負けない魅力があるスウェットだと言えます。しかも相場は7,000円前後とレギュラー古着(今だとセミヴィンテージ)らしい価格帯なのも嬉しいポイントです!
筆者がTIMES ARE CHAINGIN’高崎本店で発見したラッセルは、人気のブラックボディにもかかわらず他のカラーと同じTAX込み6,980円でした。今回購入した個体のディテールですがMADE IN USAと刺繍されたタグと、コットン50%ポリエステル50%混合の「NU BLEND」と呼ばれるボディを採用。
普通ポリエステルが50%も使われているスウェットは毛玉が大量に発生してしまい、ヴィンテージの雰囲気が全く楽しめません(と言うより見た目が貧乏くさい)。その点90sラッセルのNU BLENDは目を凝らして探さないと毛玉が見つからないレベルで、ほぼ毛玉が発生しないと言っても過言ではありません!
しかも90sスウェットにも関わらず前Vの貼り付けガゼットが付いていたり、袖付けと裾のリブは二本針で縫製されていたりと何故かヴィンスエのディテールが満載です。またシルエットも現代風な丸みを帯びてボリュームがあるので、今っぽいコーデに馴染むのもラッセルをオススメしたいポイントになります🤗
毛玉が発生しづらい!若者に人気のカーハート
続いてオススメしたいセミヴィンテージのスウェットは現在若者に人気爆発中のブランド、カーハートのスウェットパーカーになります。実はこのパーカーはラッセルを購入したTIMES ARE CHAINSIN’高崎本店で、想像以上に質感が良い上にTAX込み4,980円と激安だったので思わず即決購入した一着になります。
こちらの古着屋では人気ブランドを揃えたコーナーを作っており、筆者が訪問した日にはカーハートのスウェットだけで20着ほど陳列してありました。逆に言うとカーハートはタマ数が多く全くレアなアイテムではないので、多くの個体の中から自分好みの一着を探せるのはありがたいです。
参考までに購入したカーハートのスウェットパーカーはサイズMですが、リバースウィーブのLより大きめの作りなので178cmの筆者でも相当ゆとりのあるフィット感です。またウエイトポケット右上にブランドの布タグが付いており、さり気なく「カーハート」だと主張しているのも微笑ましいです☺️
それではカーハートのディテールを見ていきますが、この個体は恐らく2000年代製で襟元にタグはなくロゴや製造国などがラバープリントされています。もちろん生産国はアメリカ製な訳はなく人件費の安いメキシコ製で、ヴィンテージ古着としての価値はほとんどないので気軽に着られます。
また気になる生地感はコットン50%ポリエステル50%の組成にも関わらず、毛玉はラッセルよりあるものの気にならないレベルで墨黒にフェードしており古着らしい雰囲気があります。さらに生地の厚みはリバースウィーブ>ラッセル=カーハートで肌触りはラッセルが最も柔らかいと感じました。
良いことずくめなカーハートですが残念なポイントが一つだけあります…それはリバースウィーブパーカーのようにフードが立たないことです。そこさえ気にならなければ5,000円前後で買えるアメリカブランドの古着として、カーハートのスウェットパーカーは誰にでもオススメできる一着になります。
逆にオススメしたくないスウェットブランド
あまりブログで否定的な内容を書くのは気が引けますが、読者の方に買って後悔してほしくないので個人的な意見を記しておきます。60s後期以降のスウェットはアメリカの消防法によりコットン100%の裏起毛素材が禁止されて、ポリエステルやアクリルを混合することが義務付けられました。
40〜60sまでのヴィンスエはもちろんコットン100%なので、なんとも言えない色のフェード感やヤレ感が楽しめるので人気が再燃しております。逆に70s以降のスウェットは先述した通り化学繊維が混合される為、通称「ポリ混」とあだ名が付けられるほど古着愛好家の間では揶揄されています。。
ただし今回の記事でご紹介した90sラッセルのNU BLENDやカーハートの生地は、コットン50%ポリエステル50%にも関わらずコットン100%に近い雰囲気を持ち合わせていたのでオススメしました。しかし残念ながら安くてもオススメできないブランドの一つが、タルテックス社のディスカスになります。
何を隠そう筆者も高校生だった1990年代初頭にオッシュマンズで購入しましたが、数回洗濯しただけで死ぬほど毛玉ができてしまい見た目が超貧乏くさくなったのを30年後の今でも忘れはしません。確か定価はチャンピオンやラッセルより2,000円ほど安い2,980円くらいでしたが、買ったことを後悔しています。。
今回はディスカスを槍玉に挙げてしまいましたが、その他にも90sですとラッセルの弟ブランドであるJERZEES(ジャージーズ)もそれなりに毛玉ができてしまいます。逆に言えばラッセルのNU BLENDとカーハートはポリエステルが50%も混合されている中では、大健闘している素晴らしい生地だと言えます!
また無名ブランドの90sポリ混スウェットでも、襟タグをチェックしコットン比率が高い個体であれば個人的には購入を検討します。参考までにリバースウィーブはポリエステル10%ですので、コットン80〜90%なら毛玉に悩まされずエイジングを楽しめる可能性が非常に高いと考えます。
リバースの代替にしたい古着スウェットまとめ
と言うことで今回は、高騰が著しいチャンピオンのブラックリバースウィーブの替わりに着たいセミヴィンテージのスウェットについてレビューしてきました。個人的にイチオシなのが90sラッセルのNU BLENDで、USA製かつヴィンスエのディテールを楽しめた上に毛玉もできず柔らかい着心地を楽しめます。
しかも相場も7,000円前後とお手頃価格で購入できるので、普段使いしても気兼ねなく着られるのもオススメポイントになります。またセミヴィンテージと呼べるのか不明ですが笑、2000年代製カーハートのスウェットパーカーも毛玉の発生が抑えられているし、タマ数も多く安いので是非チェックしてみてください。
最後にポリ混スウェットについてここまで書いてきましたが、チャンピオンのリバースウィーブはやはり偉大な存在だと言わざるを得ません。しかし相場が高すぎて手が出せない方にとって、ラッセルやカーハートは代替スウェットとしてそこそこ満足させてくれる一着になると考えます。以上です!