40sアメリカ海軍を代表するアウター
真冬に突入するとフィッシュテールパーカーやECWCS LEVEL7のような極寒冷地仕様のミリタリーアウターしか着なくなる筆者ですが、約1年前に名古屋の名店Archaicで理想的な個体に出会って仲間入りしたのがN-1デッキジャケット。
ヴィンテージミリタリー古着好きの方はもちろんご存知かと思いますが、このN-1デッキジャケットは第二次世界大戦〜朝鮮戦争までアメリカ海軍で使われた1940年代を代表するアメリカ海軍のミリタリーアウターになります。
ここ数年デニム界隈では「大戦モデル」がもてはやされておりますが、その影響もあってかN-1も枯渇&価格高騰が激しくなってきまきた。今回はタマ数の少ないN-1デッキジャケットのディテールとコーデについてレビューしていきます。
大須のArchaicで出会った理想的なN-1
実は数年にわたり理想のN-1デッキジャケットを探し続けていましたが、2024年12月に名古屋市にある古着のメッカ「大須」の古着屋Archaicでとうとう出会えました!Archaicは当ブログで何度も登場している大好きな古着屋です。
ちなみに筆者の理想とするN-1は…
①欠品のない美ユーズド
②サイズ40
③背面にステンシルが入っている
以上の3点にこだわって探し続けていましたが、これが中々見つからない💦
何故ならコットン100%ボディのN-1は汚れや擦れにも弱いので、汚い個体や裾や袖口が擦り切れている個体が多いのです。その点Archaicで出会った個体は大きな汚れや欠品がない上、レアな背面のステンシルが入っていた為即決購入しました。
前期・後期モデルを判別するディテール
1944年よりアメリカ海軍に支給が開始されたN-1デッキジャケットですが、後継モデルのA-2デッキジャケットが登場する1960年まで10年以上作られました。ここでは40sと50sのディテールをレビューしていきます。
まずは筆者が購入した40s後期モデルはジャングルクロスが採用されていますが、1944年の最初期モデルのみピケ素材になります(画像3枚目)。また40sは左胸の「U.S.N.」のステンシルが幅細のフォントになっているのが特徴的なディテールです。
さらに40s前期モデルでは袖先までアルパカが植毛されていましたが、40s後期モデルになると省略されてしまいます。参考までにピケ素材が使われたN-1は余裕で20万円超えますが、最近では袖先アルパカの40s前期モデルでも20万円を超えてきました💸
続いて50sモデルですが、見た目で最も大きな変化としてはライニングがアルパカ100%からアルパカ50%×ウール50%に変更された点になります。N-1と言えば毛足の長いアルパカライニングが特徴なので、当然人気や価格にも大きく反映されます。
ただしボディのジャングルクロスに変更はないので、50sでも十二分にN-1の魅力を堪能できます。また40sのタグは製造とコントラクトナンバーとサイズのみの表記に対し、50sではライニングや繊維表記が加わる大きめのタグに変更されています。
さらに左胸の「U.S.N.」のステンシルも幅太で文字の間隔も狭くなっているので、古着屋で探す際にどの年代か一目で判別できます。ちなみに相場に関しては10万円オーバーの40sに対して、50sであれば5〜6万円で購入することができます。
脇がキツく感じるN-1のサイズ感
N-1デッキジャケットの購入を検討されている方が最も気になっていると思われるのが、恐らくサイズ感ではないでしょうか。筆者は学生時代の第一次古着ブームの頃にサイズ36とサイズ38を所有した経験があるので、参考までにサイズ感をレビューします。
まず最初に購入したのは、1995年に高円寺の古着屋で18,000円くらいだったサイズ36のN-1。178cmで当時60kgだったガリガリ体型の筆者がインナーにスウェットを着ると、脇が止血するレベルでキツくて速攻で手放した苦い思い出が…笑。
続いて1998年に原宿の古着屋で29,800円で購入したサイズ38のN-1の場合、ヴィンスエをインナーに着てちょうど良いタイト目のフィッティングでした。しかし時は流れ8kg太った2025年にサイズ38を試着したところ、脇はパツパツで中に何も着込めません。。
その点サイズ40のN-1デッキジャケットは、178cm/68kg標準体型の筆者がスウェットの上からゆとりを持って着られます。更にインナーにブラウンズビーチのような厚手のベストも重ね着もできるので、極寒の真冬でも使えます。
またサイズ40になるとセットインスリーブの肩の位置が少し落ちるので、見た目も今っぽくなるのも好ポイントです。よってN-1は普段より1サイズ上を選んだ方が脇もキツくなくインナーも重ね着ができるので、個人的にオススメのサイズ選びになります。
アメカジ濃度が嫌でも高まるN-1コーデ
N-1デッキジャケットはアルパカライニングやジャングルクロスの見た目から男臭さ満載のミリタリーアウターです。このジャケットを綺麗めMIXコーデしようとチャレンジしましたが、ラギッド感の強すぎるN-1と合わせるのは違和感が強すぎました(画像右)。
そこで試しにN-1にデニムパンツ・ブーツとアメカジ直球アイテムを真正面からぶつけてみたところ、これが最もしっくりくるコーデになりました笑(画像左)。ただし我々オヤジがN-1をアメカジ直球コーデするとコスプレっぽくなるので注意が必要です💦
そこでオススメなN-1のアメカジコーデは、インナーはシンプルな無地スウェット、靴やバッグはブラックで統一して落ち着いた雰囲気にまとめることです。またN-1自体が明るめのアウターなので、デニムパンツは濃い方が合わせやすいです。
男臭さ満載N-1デッキジャケットまとめ
と言うことで今回はラギッド感満載アウター、N-1デッキジャケットのディテールとコーデについてレビューしました。このN-1はオシャレと言うよりアメカジを楽しむアウターであり、ヴィンテージ品に関してはコレクター心を満たす為のアイテムだと感じました。
ちなみに防寒性に関しては大したことなさそうに見えますが、真冬のバイクツーリングにも耐えられる防風性と防寒性を兼ね備えています。なので寒がりのアメカジ愛好家にもオススメですし、とにかく見た目のラギッド感は唯一無二のアウターです。
ただしヴィンテージ品は既に枯渇しているので相場も50sで6万円〜、40sだと最低10万円〜と高額なので大枚を叩く覚悟が必要です。なので見た目のラギッド感を楽しみたいだけならレプリカでも充分に楽しめるし、エイジングも味わえます。以上です!
