息子に譲った人気の軍パン、M-65
かれこれ2年前の2023年末、名古屋の大須にある大好きな古着屋unwaveで購入したUS ARMY M-65カーゴパンツ。unwaveのオーナーはミントコンディションの個体ばかりを買い付けてくるので、いつも満足のいく買い物ができます!
ちなみにM-65カーゴパンツについては過去記事で詳しく書いていますので、興味のある方はそちらもご覧ください。M-65は今のトレンドにピッタリのパンツで、極太シルエットや無骨なデザインが若者にウケて今や定番アイテムとなっています。
そしてアラフィフオヤジの筆者も若者に負けじと笑、このM-65をヘビーローテーションで穿きまくっております。このパンツは短丈ジャケットとの相性が良く、デニムジャケット愛好家にはめちゃくちゃ使えるパンツだと感じました。
実は最近ファッションに興味を持ち始めた高校1年生の息子ですが、もちろん筆者によるヴィンテージ古着の英才教育をしています笑。すると「その軍パンめっちゃカッコ良いからちょうだい!」と悪魔のような囁きが…😈
むむっ、ここでプレゼントしてあげないと父親としての威厳が保たれないぞ。。晩酌して酔っ払っていたのもあり「大事に穿いてくれよな!」とバキバキなコンディションかつアルミジップのM-65初期モデルを潔くあげちゃいました。
しかし自分が穿く用の6ポケット軍パンが無くなってしまったので、新たな相棒が必要になりました(買い物する言い訳か笑)。と言うことで今回は、意外にも初めて購入したM-51カーゴパンツとM-65を直接比較していきます。
名店フォアモースト富山で美品を発見
2024年より金沢で単身赴任生活をしている筆者ですが、転んでもタダでは起きない精神で北陸の古着屋巡りを楽しんでおります笑。残念ながら福井県には有名な古着屋はありませんが、富山県には超有名店フォアモースト富山があります!
フォアモースト店内には撮影禁止と所々に書いてあるので、残念ながら軍パンコーナーをお見せするこたができません。しかし、さすが全国レベルの有名店だけあって10本以上のM-51とM-65カーゴパンツが置いてありました。
デザインが酷似している2つのモデルですが、息子にあげたM-65をまた買い直すのは芸がない。。そこで数本あるM-51の中からマイサイズでコンディションが良い個体を選びましたが、フォアモースト富山では3万円台前半と良心的な価格設定でした。
当ブログの読者さんも中々北陸地方へ来ることはないかと思いますが(地元の方は別として)、もし富山に来る機会があれば是非フォアモースト富山に行ってみてください。広大な店舗の中に大量のヴィンテージ古着が置いてあり見応え充分ですよ!
M-51からM-65へ変遷する歴史
それでは直接比較する前に、サラッとM-51からM-65へ変遷する歴史について調べてみました。まずM-51は名前の通り1951年に開発されたカーゴパンツで、アメリカ陸軍では朝鮮戦争(1950〜53年)で使用されていました。
そう考えるとリーバイスだと506XXから507XXへモデルチェンジする時期で、501XXだと革パッチ期に当たります。その年代のアメリカ軍のカーゴパンツが3万円台で買えるなんてめちゃくちゃお買い得に感じますね😅
ちなみに画像のカーゴパンツですが、左がM-51で右がジャングルファティーグパンツになります。ベトナム戦争時の夏のジャングルで使用されたジャングルファティーグパンツは、薄いコットンサテン生地でシルエットも細めなのが特徴です。
そのベトナム戦争の冬期に使用することを想定して1965年に作られたのが、M-65カーゴパンツになります。シルエットは冬の極寒な戦地に耐えられるよう、M-51同様パンツ内にライナーを取り付けられるよう極太に設計されています。
またM-65にも対となるジャケットが存在しており、ロバート・デニーロが映画タクシードライバーで着用したことで有名になりました。2025年現在でも2万円くらいで買える名アウターなので、興味のある方は過去記事をチェックしてみてください。
M-51とM-65の違いは大きく4点
それではM-51とM-65を直接比較していきますが、一番大きな違いはコットン100%のM-51に対してM-65はコットン50%+ナイロン50%の混合生地という点です。やはりコットンより化繊の方が強度が高くなるので、戦服として進化しました。
しかしヴィンテージ古着の観点から見ると、ポケット縁のフェード感や生地の風合いは断然M-51の方がヴィンテージ感があります。よって高校生の息子にM-51はまだ早いので、本人もエイジングしている筆者の方が似合うでしょう笑👴🏽
続いて2つ目の違いは、M-51に装備されていたウエストのサスペンダーボタンがM-65で省略された点です。1950年代はまだベルトよりサスペンダーの方が主流でしたが、時は流れて1960年代になるとベルトが主流になった為だと考察します。
3点目の違いですが、M-51は裾の両サイドから出ている平紐のコットンドローコードがM-65だと裾の真ん中から出る細いドローコードに変更されました。実はM-51のドローコードはロールアップしても地面に触れてしまうのが唯一の難点です。。
また生地の触感について違いを伝えると、コットン100%のM-51はサラッとして夏に穿いても涼しく感じました。しかしコットン×ナイロンのM-65は生地が詰まった感じなので、夏に穿くと蒸れて暑く感じました。
最後4点目の違いは表面のデザインではありませんが、内側に印字されたミルスペックの表示方法が全然違うのです。ポケットのスレーキやウエスマン内側に直接印字しているM-51に対し、M-65は印字されたタグを縫い付けているのが分かります。
ちなみにM-51とM-65のサイズ感ですが、股上が若干M-51の方が深いだけで他はほとんど変わりません。よってM-65のSmall/Regularがジャストの筆者は、M-51も同サイズがジャストフィットになりました。
春秋に穿きたいカーゴパンツコーデ
それでは6ポケット軍パンのコーデについてレビューしていきますが、M-51にしろM-65にしろミドル〜ロング丈のトップスと相性は良くありません。やはり先述の通り短丈トップスと合わせて初めて極太カーゴパンツの良さが引き出されるでしょう。
画像はM-51(右)とM-65(左)をそれぞれデニムジャケットに合わせていますが、ぱっと見の印象はほとんど変わらないのが分かります。ちなみに両者は10年以上作られた時期が違うにも関わらず、相場に関しても見た目同様にほとんど変わりません。
よって3万円前後出せばオリジナルのM-51もM-65も購入可能ですし、タマ数も多いので今ならコンディションの良い個体を見つけることも可能です。逆に言えば古着ブームの現在で3万円台なので、これ以上高くなることはないと考えます。
人気の6ポケットカーゴパンツまとめ
と言うことで今回は若者にも人気のアメリカ陸軍6ポケットカーゴパンツ、M-51とM-65のディテールを直接比較しました。一時期はユーロミリタリーがブームになりフランス軍M-47が人気でしたが、やはり生き残ったのはアメリカ軍でした🇺🇸
M-51とM-65の見た目はほとんど変わりませんが、生地・サスペンダーボタン・ドローコード・ミルスペック表記の4点が大きく異なります。特に生地感に関してはナイロン混合のM-65と大きく異なるので、ヴィンテージ感を求めるならM-51を強く推奨します。
最後にマニアックなM-51との違いについてお伝えすると、M-65のサイドポケットには撃たれた時に止血する為のストラップ(紐)が装備されています。やはりアメリカ軍の6ポケットカーゴパンツはトレンドに流されない魅力的なパンツですね。以上です!

