いつの間にか高騰したリーバイス70505bigE
我々ヴィンテージ古着愛好家はデニムジャケットに色々なデザインがあるのを当然知っていますが、一般人の方であればリーバイス70505のデザインを思い浮かべるかと思います。そう、70505はデニムジャケットの代名詞と呼べるほど世間に普及されましたし、ある意味で完成されたデザインと呼べるでしょう。
その70505の初期モデルは赤タブがLEVI’Sと刺繍された通称bigEと呼ばれるタイプで、ヴィンテージリーバイスらしい綺麗なタテ落ちをしてくれます。またデニムパンツの501bigEは第一次古着ブームの頃から5万円以上の高値を付けていましたが、何故か70505bigEの相場は2〜3万円とお手頃価格でした。
その理由は501bigEに比べ70505bigEの方がタマ数が多いからだと推察されますが、同じ年代で同じ生地を使っているにもかかわらず何故か不当な扱いを受けてきました笑。しかし時は流れて2023年現在90sの501レギュラーですら1万円台後半まで高騰する状況の中、いよいよ70505bigEが評価されはじめました!
もちろんサイズとコンディションによって相場は大きく変わりますが、サイズ42以上の大きめでインディゴが残った濃紺な個体であれば10万円前後はしてしまいます。つい5年前であれば同じような個体でも3万円台で購入できたことを思い出すと、条件の良いヴィンテージリーバイスはビックリするほど高騰しました⤴️
しかし2〜3万円で70505bigEを買えたことを知っている筆者としては、いくら濃紺で大きめな個体が欲しかったとしても10万円を出す気にはなれません笑。とは言え557より気軽に着られる70505が欲しいので、なんとか3万円くらいでヴィンテージ感を楽しめるモデルはないのか探してみました。
そこで今回のテーマである70505bigEの後継モデルである「布ケアタグ」が価格とヴィンテージ感のバランス感が良く、今のうちに買っておきたいアイテムだと感じました。と言うことで今回は70505ケアタグのディテールや現在の相場、サードタイプのデニムジャケットコーデについてレビューしていきます。
名古屋の名店CROUT栄で出会った濃紺な個体
先日バイクで名古屋までツーリングした際、単身赴任していた頃に行きつけの古着屋だったCROUT栄にお邪魔してきました。筆者が通っていた頃より商品のヴィンテージ古着比率が上がっていたのにはビックリしましたが、その中で発見したのが今回のテーマであるリーバイス70505ケアタグになります。
先述の通り70505bigEは色落ちした個体でも5万円以上、濃紺な個体になると8〜10万円もしてしまいます。しかし70505ケアタグになると赤タブがスモールeになるだけでヴィンテージらしいタテ落ちを楽しめるのに、大きめで濃紺な個体であってもお手頃な3万円台前半で買えてしまいます😳
確かにヴィンテージ古着愛好家としてはbigEの方が満足感が高いですが、見た目は全く変わらないのでスモールeでも良いのでは?と考えるようになりました。過去に501bigE後期と66前期を比較した記事を書きましたが、実はデニムパンツでも見た目はほとんど同じなので66前期の相場もbigE後期とそこまで変わりません。
その点で言うと元々不当な扱いを受けてきた70505bigEがやっと評価されてきましたが、更に不当な扱いを受けてきたケアタグはそこまで注目を集めていないので相場は安いままです。「これは近いうちに高騰するかもしれないぞ?」と感じた筆者は、迷うことなくサイズ40の濃紺な個体を購入しました。
もしこれが同じ年代の501(66前期)でこれだけ濃紺だったら間違いなく10万円オーバーしますから、どう考えたって3万円台で買えるのはお買い得です。また3万円台でレプリカブランドのデニムジャケットを買うのもアリですが、同じ価格帯でヴィンテージのオリジナルリーバイスが買えるなら迷うことはないでしょう!
しかもリーバイス復刻LVCの506XXや507XXは日本製の生地と縫製で5万円台もすることを考えると、いかにUSA製でタテ落ちするインディゴデニムを使った70505ケアタグがお買い得か分かります。何せヴィンテージリーバイスはレプリカと違い二度と作れませんので、安く買える今がチャンスです。
70505bigEとほとんど変わらないディテール
それでは70505ケアタグのディテールを見ていきますが、現在70505bigEを所有していないので前モデルである557と比べながらレビューします。この2着のデニムジャケットはどちらも同じサイズ40になりますが、ケアタグの方が身幅が少し大きく着丈がウエストベルト1本分長いのが分かります。
また縫製に使われている糸ですが、イエローの綿糸の557に対して70505はbigEでもケアタグでもスパン糸に変更されています。この退色したイエロー綿糸がヴィンテージ感を醸し出しており、敢えて557をチョイスしたくなる理由になりますが、見た目は70505とほとんど変わらないのでただの自己満足になります笑。
更にボタンをチェックしてみると、557以降は銅色ボタンで70505bigEやケアタグになっても文字やデザインに変更はありません。この銅ボタンはプリシュランク(防縮加工済み)の品番モデルに採用されており、デニムパンツでは551ZXXや後継モデルの505も同じ銅ボタンになります。
続いて紙パッチを見ていくと557と70505では大きさが全く違いますが、70505bigEとケアタグは全く変わりません。逆に557はゼンモデルの507XXのデザインを踏襲しており、70505にモデルチェンジした際に大きくデザイン変更したことになります。それにしても557の紙パッチはカッコいい…😍
最後にケアタグで最も重要なディテールであるケアタグ(そのまんまやん笑)について見ていきますが、実は布製と紙製の二種類のタイプがありそれぞれ年代が違うので注意が必要です。一般的に布ケアタグが66前期で紙ケアタグが66後期の対になるモデルだと言われており、紙ケアタグはタテ落ちしない可能性があります。
もちろん紙ケアタグでも個体差があるのでタテ落ちするインディゴデニムを使った個体もあるかと思いますが、布ケアタグであれば66前期と同じように確実にタテ落ちしてくれるので安心感が全く違います。もし「ケアタグ安いうちに買っておこう」と思った読者さんには、布ケアタグを選ぶことを強く推奨します!
コーデしやすいトラッカーデニムジャケット
リーバイスのデニムジャケットはファーストこと506XX、セカンドこと507XX、サードこと557、そして今回購入した70505へとモデルチェンジが繰り返されました。その中でもファースト〜サードまでは着丈が短めに設計されておりコーデが難しいですが、着丈が長くなった70505が最も着こなしやすいです。
もしタックアウトしたカットソーの上にファーストを着た場合、着丈が56cm前後しかないのでカットソーがかなりはみ出してしまいます(画像1枚目の右側)。その点70505であれば着丈が60cm前後と長いおかげで、タックアウトしたカットソーの上に着てもバランス良く着こなすことができます。
また個人的な意見ですが、トラッカージャケットと呼ばれるデザインのサードと70505はタイドアップコーデがとても合うと感じています。やはりトラッカージャケットは作業着として生まれたファーストやセカンドと違い、IVY御用達のファッションウエアとして作られたので綺麗めコーデとの相性が良いのは当然ですね。
先ほどトラッカージャケットにタイドアップコーデが好相性だとご紹介しましたが、実際にそんなコスプレのようなコーデをする機会なんてほとんどありません笑。基本的にデニムジャケットはカットソーの上に着ることがほとんどですが、問題はボタンを留めて着るのと留めないで着るのとどちらが良いか?
これまた個人的な感想になりますが、ファーストやセカンドなどボックスシルエットのデニムジャケットはボタンを留めない方が熟れて見えると考えます。しかし70505のようなトラッカージャケットはデザインが普通すぎるので、着こなし方を一工夫しないと「普通のジージャン着たオッサン」にしか見えません笑。
そこで筆者はサードと70505を着る時は必ず第1第2ボタンを留めて三角形のようなAシルエットに見せるようにしています。こうすることで普通のデニムジャケットを今っぽく着ることができますが、ジャストサイズだと首が苦しくなるので1〜2サイズ上の少しゆとりのあるサイズを選ぶことをオススメします。
ヤフオク・メルカリでの布ケアタグの相場は?
70505布ケアタグの一番のセールスポイントは、ヴィンテージリーバイスらしいタテ落ちするデニム生地を安い値段で楽しめる点に尽きます。実際に筆者は実店舗の古着屋で33,000円で購入しましたが、人件費や固定費が掛かるので当然利益を乗せないと古着屋は潰れてしまいます。
その点CtoC(顧客同士の直接取引き)と呼ばれるヤフオクやメルカリであれば、試着はできない代わりに実店舗より安く買えるメリットがあります。そこでヤフオクではいくら位の相場で取引きされているのか調べてみたところ、安い個体で1万円台中盤〜高くても3万円未満で出品されていました。
今回「70505 ケアタグ」のワードで検索したところ約80品が出品されていましたが、bigEも含まれているので実質は約半数の40点くらいになります。また布ケアタグだけでなく紙ケアタグも出品されていましたが、どちらも似たような価格設定になっているので確実に布ケアタグを選ぶようにしましょう。
続いてメルカリで「70505 ケアタグ」と検索してみましたが、こちらでもbigEが多く混ざっているので実質の出品数が分かりません。。そして気になるメルカリでの相場ですが、値引きを前提としているのが理由なのかヤフオクより全体的に高めの価格設定になっていると感じました。
しかし実際にSOLDになった個体を見てみると、インディゴ残が80%程度残った濃いめの推定サイズ38で25,000円で落札されていました(画像2枚目)。ここ数年デニムジャケットはサイズによって相場がかなり変わってくることを考慮すると、小さめのサイズ38で25,000円は少し高いと言わざるを得ません。
もし布ケアタグをCtoCで購入する場合サイズ38までを2万円前後で、それ以上大きいサイズであれば2.5〜3万円未満で探すことをオススメします。またどうしても試着したり現物を見たい方は、セカストのアプリで「70505 ケアタグ」と検索し近所の店舗にお取り寄せするのもアリかと思います。
今のうちに買いたい70505布ケアタグまとめ
と言うことで今回は今のうちに買っておきたい、タテ落ちするリーバイス70505布ケアタグについて書いてきました。ちなみにヴィンテージ古着愛好家の筆者はファースト、セカンド、サードをそれぞれ2着ずつ所有していますが、今回購入した布ケアタグの雰囲気は充分にヴィンテージ感があると感じました。
また所有しているデニムジャケットでここまで濃紺な個体は1着もないですし、サードですらこの濃さだと25万円はしてしまい手が出ません。その点布ケアタグなら古着屋でも3万円台で見つけられるので、もしレプリカブランドのデニムジャケットを検討している方は布ケアタグも視野に入れても良いと思います。
この布ケアタグはリーバイスのデニムパンツだと66前期(1974〜77年)と同じ年代に作られたモデルですので、スモールeなだけで立派なヴィンテージデニムの仲間で今後もっと評価が高くなると推察します。安く買える今のうちが布ケアタグを手に入れるチャンスなので是非探してみてください。以上です!