神奈川の名店シーガルで購入した70506
あれは遡ること2023年の秋、ヴィンテージ古着屋シーガル鎌倉店で出会ったのが今回のテーマであるリーバイス70506先染めブラックのデニムジャケット。ほんの4〜5年前までは誰も注目していない「ただのレギュラー古着」でしたが、現在では立派なセミヴィンテージアイテムとして扱われています。
この70506がただのレギュラー古着扱いをされていた頃は、先染めだろうが後染めだろうが価値は変わらず1万円前後で購入できました。しかしセミヴィンテージ扱いされるようになった現在では、先染め・後染めに関係なく5万円台のプライスタグが付くのが当たり前になるほど価格が高騰〜💸
そんな中シーガル鎌倉店で出会った個体は筆者が探し続けていたサイズ40だったのもあり、TAX込み4万円でしたが迷うことなく即決購入。その半年後に70506ブラックが5万円台まで高騰するのは予想外でしたが、やはりアメリカのヴィンテージ古着は出会ったら即決が鉄則だと実感しました。
実は最近シーガル鎌倉店に半年ぶりに訪問してきましたが、店長いわく「あれから70506ブラックのサイズ40は1着も入荷していないんですよ!」とのこと。むむぅ…我々アラフィフオヤジにとって70506なんてただのレギュラー古着でしたが、実はレアアイテムになってるじゃないの?
確かにこのサイズ40の個体に出会うまでに色々な古着屋で探しましたが、見つかったとしてもサイズ36か38ばかりだった記憶があります。30年前の古着ブームの頃だったらピタピタに着るのが良しとされていましたが、ゆったりシルエットが定番の今となっては時代遅れ感がハンパないです笑。
と言うことで今回はシーガル鎌倉店で購入したリーバイス70506先染めブラックと、同じサイズのリーバイス70505布ケアタグを直接比較していきます。また70506先染めブラックの2024年現在の相場や、コーデした際のブルーデニムとの雰囲気の違いについてもレビューしていきます。
ブラックデニムジャケット2024年の相場
では2024年現在リーバイス70506ブラックの相場について調べてみましたが、実は先染めと後染めの価格帯はほとんど変わらない相場感でした。これが同じブラックでもデニムパンツになると、昔は先染めの方が人気がありましたが、現在は後染めの方が人気も相場も高い傾向にあります。
また色々な古着屋やセカストをチェックしたところ、サイズ36や38でTAX込み5.5万円を付けるお店が多い印象を持ちました。もちろん色が濃い個体の方が価格も高いですが、その差は数千円程度でヴィンテージデニムほど色残りによる価格の差は見られませんでした。
どちらかと言うと70506ブラックは色残りやコンディションよりサイズの大小で相場が変わる傾向にあり、これはヴィンテージデニムと同様の状況です。またカナダ製や日本製の70506ブラックは2万円台で見つけられますが、どうせ買うならUSA製にした方が良いのは言うまでもありません。
リーバイス3rdタイプは完成されたデザイン
ここ数年はヴィンテージ古着ブームの影響もありリーバイス506XXや507XXの人気が非常に高いですが、個人的に最も完成されたデニムジャケットは557から始まる3rdタイプ。先日古着仲間のRYOさんが購入したLee101-Jと双璧をなすデザインで、どちらも長い期間販売されました。
Lee101-Jは1940年代発売され、デニムが庶民に普及していった1950年代後半にはリーバイス507XXの売り上げを大きく上回りました。当時はボックスプリーツの入ったデザインが古臭く見えたのもあり、東海岸を中心にカウボーイから庶民までLee101-Jの人気は高かったようです。
そこでリーバイスが1962年に開発したのが557XXで、いわゆる「トラッカージャケット」と呼ばれるデザインになります。この後リーバイスはこのデザインでコーデュロイやピケ、カツラギ等の色々な素材で展開し、Gジャン=リーバイスのトラッカージャケットとして世界的に浸透していきました。
実際にリーバイス70506先染めブラックを見ていくと特に新鮮な感じはありませんが笑、フロントに入ったV字ダーツがリーバイスのトラッカージャケットだと一目で分かります。また背面に目を向けるとフロント同様に斜めにダーツが入っており、着るとウエストがシェイプして見える効果があります。
このディテールはLee101-Jと同じで、背面から見た両者の雰囲気はかなり似ています。1940年代に発売されてから一度もデザイン変更されていないLee101-Jと、1962年に発売されてから60年以上変わらないリーバイスのトラッカージャケット、どちらも普及の名作だと改めて感じました。
70505と70506のディテールを直接比較
ここではリーバイス70506先染めブラックと、筆者が所有する70505布ケアタグと直接比較していきます。残念ながら70506ブラックが80s〜なのに対し70505布ケアタグが70sと年代が違っているので、完全な同年代同士の比較にならない点はどうかご了承ください🙇🏻♂️
まず全体のデザインに関しては全くと言っていいほど同じすが、70505との最大の違いは70506にはウエストにポケットが付いている点になります。実は第一次古着ブームの頃はこのポケット付きGジャンが超ダサいとされていた経緯もあり笑、購入する際に一瞬戸惑いました。
しかしウエストポケットが付かない70505先染めブラックの球数は非常に少なく、古着屋で出会うことすら困難な状況です。まぁ実際に70506を着てみるとウエストポケットが意外にも使えて便利ですし、ブラックGジャン自体がダサカッコいいアイテムなのでポケット付きもアリだと感じました。
続いて紙パッチを見ていくと両者とも大きさはほとんど同じですが、塗料が違うのかブラックの方がプリントがテカテカしています。これは70505布ケアタグが70sで70506先染めブラックが80s以降なので、作られた年代の違いによるディテールの差になります。
また先染めブラックはサイズ表記の後ろに「R」というアルファベットが記載されていますが、これは着丈がレギュラー(標準)であることを示しています。よって80s以降は着丈ロングの71205が廃盤になり、品番の後ろに着丈のアルファベットを記載する方式に変更されたことを意味します。
さらにボタン裏をチェックしていくと「870」の刻印が入っていますが、いくら調べても生産工場が分かりません。。紙タグには一応Made in USAと記載があるのでアメリカ国内にあるどこか工場だと推察しますが、レギュラーと呼ばれる80s以降のリーバイスは謎が多いです💦
40Rのサイズ感とブラックGジャンコーデ
ベストなサイズ感が目まぐるしく変わっていきますが、我々オヤジに丁度良いサイズ感を模索していくと178cm/67kgの筆者にはサイズ40が一番しっくりきました。このサイズ40をボタンを留めずに着ると肩が落ちますが、ボタンを留めるとほぼ肩幅ピッタリになります。
もちろん若者っぽくダボっと着たいのであれば、更に大きめのサイズ42や44を選択する必要があります。しかし我々アラフォーアラフィフオヤジがそんな大きめサイズのデニムジャケットを着たとしても、上手く着こなせるのは一部のファッショニスタだけでしょう。。
そこで我々オヤジが選ぶべきサイズ感としては、ピタピタに見えない大きさでありながらある程度フィットした「ちょい緩」くらいが熟れて見えると考えます。しかもビッグサイズになればなるほど相場も高くなるので、身長に合わせてサイズ38〜40を選べば間違いないでしょう。
また70506先染めブラックのコーデに関しては、モノトーンで纏めると統一感のある着こなしに見えます。また合わせるパンツは脚にフィットしたデニムパンツはNGですが、太めのパンツだと今っぽいコーデに見えるのでオススメです(最近はペインターパンツばかり穿いてます)。
ただしブラックデニムはコーデで大切となる季節感が全くないので、春夏コーデに合うかと聞かれたら「イマイチ」だと答えるでしょう笑。実際にモノトーンコーデの画像を見ても春夏なのか秋冬なのか全く想像もできないですし、その点ブルーデニムの方が春夏っぽく爽やかに見えます。
とは言えブルーデニムジャケットばかりだと食傷気味だったのもあり、人生初のブラックデニムジャケットはとても新鮮でした。個人的にはあまり色落ちしないサルファ染めの後染めブラックより、グレーにフェードしていく先染めブラックの方がコーデしやすいのでオススメです。
一着は欲しい70506先染めブラックまとめ
と言うことで今回はシーガル鎌倉店で購入した、90sリーバイス70506先染めブラックのデニムジャケットについて書いてきました。我々アラフィフオヤジにとってはただのレギュラー古着でしたが、2024年現在では立派なセミヴィンテージ古着として確立したアイテムに昇格しました。
更に70506ブラックのサイズ40オーバーはタマ数が非常に少ないので、もしお探しの方は見つけた時に即決購入することをオススメします。逆にサイズ36や38がジャストな方は古着屋だけでなくヤフオク・メルカリでも見つけられるので、なるべく安い個体を探した方が良いでしょう。
ただし70506ブラックはコーデに季節感を出しづらいので、春夏に着るより秋冬に着た方がしっくりくると感じました。またブルーデニムジャケットに飽きてきた方に70506ブラックは新鮮に感じるので、是非チャレンジしてもらいたいアイテムになります。以上です!