金がない時に限って出会ってしまう…
そう、あれは「人生で一番ヴィンテージ古着にお金を使った日」の2週間後のこと。行きつけの古着屋にお手頃なレギュラー古着でもないか見に行ってみると、壁に濃紺なデニムパンツが掛かっているじゃないですか👖
入荷日から2週間も経っているのに、まだこんな良好なヴィンテージデニムが残ってるなんて不思議…と思ってオーナーに尋ねたところ、「あえて入荷日に出してなかった一本」とのこと。
なかなか味なことをしますな〜、と思って紙パッチを見たらリーバイス502じゃないですか。しかもポケット裏がシングルステッチなので501でいうと66前期モデルと同じ時期に作られたタテ落ちする個体になります!
パッチ表記サイズがW32L36ですが、502は501と同じシュリンクトゥフィットなのでかなり縮みが出ます。実際他のお客さんもウエストがキツくて諦めたとか…。
ヴィンテージデニムの為に体型維持に励んでいる私なら穿けるかも?とチャレンジしてみると、ウエストは何とか入っただけでなくレングスが超シンデレラサイズじゃないの!
オーナー曰く501に比べ502は人気がないのでこの価格設定にしたとのことだが、このタテ落ちが約束されたリーバイスの濃紺デニムがアンダー10万円で買えるとはビックリ仰天😳
でも2週間前に20万円以上使ったばかり…しかし金が無いなら作るまでよ!と言うことで迷ったら買う主義の私、この格安で買えるチャンスを逃さずに更なる借金を上積みするのでありました笑。
60〜70年代のリーバイスbigE〜66シングル
この濃紺なリーバイス502を購入する時に頭をよぎったのは「既に似たような色のデニム持ってるじゃん」と言うこと…。しかしこれで闘魂三銃士ならぬ濃紺三銃士が完成しました!
右から60年代後半の501Sタイプ、70年代前半の501bigE、そして今回購入した70年代中頃の502シングルモデルになります👖
せっかく60〜70年代のbigE初期モデルから66前期モデルまでの3本が揃ったので、それぞれのディテール変化をチェックしてみようと思います。
ディテールの変化が一番分かりやすいのは紙パッチや赤タブのあるヒップ周りになります。まずは501Sタイプから見ていくと、綿糸が多く使われているのが分かります。
またbigEの最初期モデルになるとオール綿糸になりますが、タイプ物の後期モデルになると一部にポリエステル製のスパン糸が使われるようになります。
この個体もアーキュエイトステッチにスパン糸が使われているので、残念ながらいくら穿き込んでもXXのようにステッチが解れることはないでしょう。
上:501bigE後期モデル
下:502シングルモデル
続いてbigE後期モデルを見ていくと、正直言って赤タブを見ない限りbigEなのか66前期なのか見分けできないほど見た目が変わりません。
両方とも使われてる糸もほとんどがスパン糸だし、デニムの色味やタテ落ち加減もほとんど同じ…。なので少しでも安くタテ落ちするヴィンテージリーバイスが欲しければ66前期が一番お買い得なんです!
しかし1976年後半に生地が変更された66後期モデルは色味も全然タテ落ちしないので注意が必要です…って、わざわざ説明する必要もないくらい超有名な話ですけどね笑。
501「66」と502「シングル」直接比較
それでは今回のお題である501の66前期と502シングルの同年代の別モデルを比較していきたいと思います。話は変わりますが、502は流通量が少なかったので古着屋でもなかなか遭遇しないモデルなんです。
まずはシルエットから見ていくと、502の方が少し太めのテーパードストレートになっています。ウエストが同サイズの501と重ねてみると502の方が少し太いのが分かりますね(画像下)
筆者の印象としては、裾幅はほとんど変わらないけど太もも〜膝に掛けて501より少しゆったりしているように感じました。同じジッパータイプの505とは明らかにシルエットが違いますね。
続いては最大の違いである股間のディテールについて。読者の皆さんもご存知の通り、フロントフライ(ズボンの前開き部分)がボタンフライの501に対し502はジッパーフライになっています。
実はボタンフライは凸凹しているお陰で前開き部分にインディゴの陰影が楽しめるのに対し、ジッパーフライは平坦な為メリハリのないマッタリとした色落ちになってしまいます…。
確かに画像を見てみると一目瞭然で、ボタンフライの501前開き部分には豪快なメリハリが入っているのが分かりますし、これこそが501の不動の人気に繋がっているのだと感じます。
同年代でも色落ちの違いは作られた工場の差
最後にチェックするのはボタン裏の数字ですが、bigE以降の501は2・4・6が多く502は4・8が多い傾向にあります。ちなみに505は「5」が多い印象があります。
この数字は工場を示しており、6番は有名なエルパソ工場になります。今回購入した502はボタン裏が錆びていてよく読めなかったんですが、よくよく見ると綺麗な色落ちで有名な16番工場だったんです!
また諸説ありますが、16番工場は以前のモデルで余ったパーツを使って作られているだけでなくタテ落ちしやすい生地が使われてるいことが多いです。なのでボタン裏が16だと「ラッキー!」とヴィンテージデニム愛好家たちは感じてしまいます😆
右:502シングル16番工場
左:501bigE 2番工場
実際16番工場の色落ちがどれだけ素晴らしいのか、502シングルより古いモデルの501bigEの2番工場と比較してみました。
元々bigE後期と66前期(502シングル)は色落ちに差がないと言われてますが、こうして比べてみると16番工場の方がインディゴの色が深くシャープなタテ落ちなのが分かります。
逆にbigEの2番工場の個体はネップ感(ツブ感)のあるザラっとした色落ちで、16番工場に比べると野暮ったい印象を受けます。まぁ、この野暮ったい色落ちも良い意味でヴィンテージリーバイスの特徴の一つですからね😅
赤耳付きかつ安めなのが502シングルの魅力
右:502シングル16番工場
左:501bigE 2番工場
古着屋でもなかなか遭遇しないリーバイス502シングルですが、個人的には505シングルよりオススメしたいモデルです。その理由は502は今っぽいゆったりシルエットなうえ必ず赤耳が付いているからなんです!
505を今っぽく穿くにはオーバーサイズで穿く必要があるのと、赤耳が付いた505はレアで基本は脇割り仕様がほとんど…。また気になる相場は502も505も変わりません💴
ちなみに今回購入した502シングルと同じくらいインディゴが濃い501bigEは502シングルの倍以上の値段でしたから、いかに502がお買い得なのかが分かりますね。
右:501スモールe 66前期
左:502スモールe シングル
リーバイス502は501のジップフライ版なんですが、実はヒップポケットの大きさも違います。どちらかと言うと505とほぼ同じサイズの大振りなポケットが付いているので注意が必要です。
個人的には大きめのヒップポケットは視覚的に小尻効果が得られるしバンダナも突っ込みやすいので大歓迎なんですが、501信者からしたら邪道になるのかもしれません😅
では紙パッチやスレーキが無い場合、ヒップポケットの大きさやジッパーフライと共通点のある505と見分けるにはどうすれば良いか?実は簡単なディテールの差で見分けられます。
それは…
前開き部分のトップボタンの色が違います!
551ZXXをベースとする505はプリシュランクなので銅色のボタンなのに対し、501をベースとする502はシュリンクトゥフィットなのでシルバー色のボタンが使用されます。
なかなか市場に出てこない502ですが、もしヴィンテージ古着のことがよく分かっていないリサイクルショップで505を見つけた際に是非トップボタンをチェックしてみてください。もしかしたら値札に505と書いてあっても502かもしれないので笑。
お買得に購入できるLevi’s502シングルまとめ
と言うことで、突然の出会いから急遽ゲットした濃紺なリーバイス502シングルと手持ちの501bigEや66前期を比較してみました。最後に502シングルの特徴を纏めると…
①501と同じシュリンクトゥフィットの赤耳デニムを使用
②太もも〜膝のシルエットは501よりゆったりしている
③505とヒップポケットの大きさは同じだがトップボタンの色が違う
以上の3点が主な特徴になります。特にレギュラーストレートの502とテーパードストレートの505はシルエットが明らかに違うので、どちらがご自身の好みか古着屋で是非チェックしてみてください!
また濃紺デニムは季節感が出ないもののシーズンレスな一本なので通年穿けるのも嬉しいポイント。もし季節感を出したければデニム以外のアイテムを春夏っぽくしてあげるだけで解決します🌻
個人的に春夏で活躍するのがLLビーンのトートバッグとパラブーツのデッキモカシンになりますが、どちらも一度購入したら長く使い続けられる高コスパアイテムなのでオススメです。皆さんも是非ヴィンテージデニムライフを楽しんでください。以上です!
コメント
はじめまして。いつも楽しみにしております。
ヴィンテージデニムの世界に最近興味があり、ブログをかなり参考にさせてもらってます。※同世代としてマサゴニアさんの買っぷりはとても心強いです 笑
アキダイさん、はじめまして。コメントありがとうございます!
私の稚拙なブログが参考になれば幸いです(^^)
小金が貯まればすぐヴィンテージに投入しちゃう私は、少しぶっ飛んでます(笑)
実は私も502XXを所有しております。と、言いましても90年代に復刻した初期LVC(日本製。生地の生産国は不明)です。Masagoniaさんの好みではないかもしれませんが、90sのLVCの古着は安くてヴィンテージと見間違う物もあるので少しだけおすすめです。
kojiさん、こんにちは。
90sのLVCはタテ落ちや雰囲気がヴィンテージと見間違うレベルなので評価されてますよね!
あとは赤タブをレーヨン製にしてステッチを綿糸にしてくれたら完璧なんですけどね(^_^;)