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リーバイス557(3rd)と70505(4th)の違いについて

トップス

このリーバイス3rdこと557と70505を比較した記事を書いた2019年当時は大したアクセス数がありませんでしたが、若者の間で古着ブームが発生したこともあって34,000回のアクセス数を超える人気記事に成長してくれました。この場をお借りして御礼申し上げます🙇🏻‍♂️

そこで駄文だった当記事を2023年現在の情報でブラッシュアップし、もっと読み応えのある内容に書き換えました。この似たようなデザインなのに価格帯が違う557(以降3rdと記載)と70505のどちらを買えばいいか迷っている読者さんのお役に立つ内容になるよう、筆者が所有する両者をしっかり比較していきます。

 

 

 

 

 

トラッカージャケットを代表するモデル

まず初めに見た目の違いについて、右左のどちらが3rdでどちらが70505かお分かりになるでしょうか?筆者たちのようなヴィンテージ古着愛好家であれば両者の違いが何となく分かりますが、最近ヴィンテージデニムに興味を持ったばかりの方には少し難しい質問かもしれません。

3rdと70505どちらのデニムジャケットも通称「トラッカージャケット」と呼ばれるデザインで、見た目はほとんど同じになります。しかしこれからご紹介する3つのディテール差と見た目で唯一の大きな違いに気付くことができれば、誰でも簡単に3rdと70505を見分けられるようになります!

参考までに557は「ゴーゴーナナ」や「サード」と呼ばれますが、70505を「フォース」と呼ぶ人はあまり…というかほとんど聞いたことがありません笑。やはり70505はそのまま「ナナマルゴーマルゴ」と呼ぶのがスタンダードなので、調子に乗ってフォースと呼ばない方が良いでしょう😅

 

 

 

 

 

ディテール差①赤タブ「V」の字体が違う

右:557後期モデル 左:70505 BigE

では早速3rdと70505のディテール差についてチェックしていきます。まず1つ目の違いは胸ポケット脇に付属する赤タブの「V」の字体が違う点になります。筆者が所有する個体は通称「3rd後期モデル」になりますが、それでも赤タブは通称「均等VのビッグE」と呼ばれる古いタイプになります。

この均等Vの赤タブとはLEVISの「V」が左右対称の太さで刺繍された赤タブのことを指しており、逆にVの左が太く右が細い赤タブを「不均等VのビッグE」と呼んでいます。またそれぞれの年代ですが、均等Vは1953年〜60年代後半頃まで、不均等Vは60年代後半〜1973年までと言われております。

そして3rdが製造された期間は1962〜67年の約5年間と短命ではありましたが、3rd前期後期ともに均等Vの期間とピッタリ合致することが分かります。逆に言えば3rdに不均等Vの赤タグは存在しないですし、70505に均等Vは存在しません。参考までに501XX最終モデルには不均等Vが混ざることが多いようです。

 

 

 

 

 

ディテール差②紙パッチの大きさが全然違う

続いてディテール差②は紙パッチの大きさになりますが、これは3rdと70505の違いで最も有名なディテール差になります。両者を比較してみると、3rdの方が縦方向に大きく70505は横方向に細長い紙パッチになっているのが分かります。そして70505は初期のBigEもスモールeも同じ紙パッチを採用しています。

また557の前期モデル=557XXの紙パッチには557の横に「XX」の印字が入りますが、筆者が所有する個体は後期モデルなので557の印字のみになります。残念ながらXX表記が無い557はXX生地ではなくBigEと同じ生地になると言われておりますが、生地の雰囲気は501BigEとは違うような…。

3rd後期モデルの生地について時代考証すると、557最終モデルでも1967年と501XX最終モデルと1年違いになります。しかし501XXはシュリンクトゥフィットの生地なのに対し、3rdは銅ボタンを採用していることからプリシュランク(防縮加工が施された)デニム生地が採用されております。

 

 

 

 

 

出典:メルカリ

よってデニムパンツで3rdと同じプリシュランク生地を使っているのは551ZXXと505初期モデルになりますので、色落ちの雰囲気はそれらのモデルと同様になります。どうりで同年代の501XXや501bigE初期モデルと雰囲気が違うと感じていましたが、そもそも使われている生地が違うから当然ですね😅

個人的な感想になりますが、3rdは青みが強くメリハリのない色味なのに対し、70505bigEは紺色が強い上にメリハリのあるシャープなタテ落ちだと感じています。よってマニアックなディテールなどを楽しみたいヴィンテージデニム愛好家には3rdはたまりませんが、興味のない人から見たらどちらも同じです…笑。

参考までに551ZXXは1961〜66年までで、505bigEは1966年から551ZXXの後継モデルとして誕生しました。よって1962〜67年の間作られていた3rdは551ZXXと同年代に製造させれていたということは、すなわち551ZXXとセットアップとして開発されたデニムジャケットだったわけです。

 

 

 

 

 

ディテール差③ボタン裏刻印の桁数が違う

続いてディテール差③はボタン裏の刻印の桁数が違う点で、3rdが1桁のアルファベット刻印なのに対し70505は2〜3桁の数字刻印になります。よってもし紙パッチが欠損してどちらのモデルか分からない場合は、ボタン裏を確認することで3rdか70505かの判別を簡単にすることができます!

ちなみに3rdのボタン裏刻印はアルファベットのDが最も多く、他にもAやOなんかもあります。これは3rd前期後期モデルに共通しており、筆者が所有する前期と後期どちらもボタン裏刻印はDでした。ただし例外として、3rdでも最初期の通称ギャラ入りモデルだけはアルファベットではなく数字の17刻印になります。

また70505のボタン裏の刻印は2桁か3桁の数字ですが、2桁の場合は52で3桁の場合は520番台の刻印が多く出回っています。現に筆者が所有する70505BigEは525刻印で、テキサス州のエルパソ工場で作られた個体だと判明しました。参考までに520、522、524、525の4つがエルパソ工場の刻印になります。

 

 

 

 

 

デザインはほぼ同じでも着丈の長さが違う

最後にディテールではなく見た目の最大の違いについてご紹介しますが、3rdは70505に比べてウエストベルト1本分着丈が短く袖がモモンガのように太いのが特徴になります。画像では70505の上に3rdを上から重ねて着丈を比べてみましたが、ほぼウエストバンド1本分短いのが分かります。

ちなみに筆者が所有する70505へサイズ36で3rdはサイズ40と2サイズも大きいのにも関わらず、着丈は圧倒的に3rdの方が短いです。ただし同じ3rdでも着丈と袖丈を伸ばした558になると70505とほぼ同じ着丈になるので、先ほどご紹介した3つのディテールでどちらのモデルから見分けないとなりません。

また3rdの着丈の短さがどのデニムジャケットと同じ位かと言うと、実は2ndこと507XXとほぼ同じ着丈になります。よって個体差はありますがサイズ38で着丈57cmの2ndとサイズ40と1サイズ上の3rdはほぼ同じですし、2ndも3rdもサイズを上げても大して着丈は伸びず身幅だけが大きくなります。

 

 

 

 

 

実際に3rdの上に2ndを重ねて比べてみましたが、下に置いた3rdがほぼ見えないほど2ndと同じの着丈であることが分かります。また袖の太さは2ndより3rdの方が太いですが、おそらく1st〜70505までの歴代リーバイスの中で3rdの袖が最も太く設計されているのではないかと推察します。

ただし身幅に関してはボックスシルエットでゆとりのある2ndに対し、3rdの身幅は相当タイトです。洗濯や乾燥機による個体差はあると思いますが、サイズ38でも身幅にゆとりのある2ndに対し3rdのサイズ40は178cm/70kg標準体型の筆者でボタンを留めるとタイトなフィッティングでした。

また2ndと3rdを実際に着比べてみましたが、中に着ているユニクロのニットのはみ出し方がほとんど同じ分量なのが良く分かります(画像2枚目)。なので「セカンドは着丈が短いから着こなしが難しいんだよなぁ〜」と感じている方は、3rdも着丈が短く感じる可能性が高いのでオススメしません🙅🏻‍♂️

 

 

 

 

 

リーバイス557と70505を徹底比較まとめ

左:70505 Big E  右:557後期モデル

と言うことで今回は、見た目がほとんど同じで見分けるのが難しいリーバイス557と70505の違いについて書いてきました。結論を申し上げますと、筆者のようなヴィンテージマニアの方には3rdを積極的にオススメしますが、ヴィンテージ古着初心者の方であれば70505のBigEで満足できると思います!

画像のように3rdはヴィンテージリーバイス特有のイエローの綿糸がふんだんに使われてますし、赤タブやボタン裏のディテールもマニア泣かせです。また色落ちに関しても3rdは551ZXXに近いザラついた色落ちを楽しめるのに対し、70505は501BigE時代のシャープなタテ落ちが楽しめます。

あとファッションを楽しむ上で一番重要な着丈については70505の方がウエストベルト一本分長いおかけで、コーデのし易さでは軍配が上がります。まさにヴィンテージ古着入門編のデニムジャケットとして70505はうってつけの一着だと思いますし、bigEらしいタテ落ちも楽しめるのでオススメです。以上です!

 

コメント

  1. Explorer より:

    お疲れ様です。557は個体差があるとは言え、こんなに短いんですね。しかし、36のジージャンと40のジージャンが着丈は違えどほぼ同じサイズって(笑)ビンテージは奥が深いですね!ところで、FORZA STILEのピッティレポにスクアルツィ氏が出てましたね。ご覧になられたでしょうか⤴️

    • masagonia masagonia より:

      exploreさん、おはようございます。
      36はブランケット付きの559だったので比較できないかもですが、この時代のデニムは個体差が大きいですね(^^;)
      FORZA STILE、見たことないのでこれからチェックしてみます!
      情報ありがとうございます(^^)

  2. よーやん より:

    557と505の一番簡単な見分け方は前部のV型のプリーツ?の下の部分の幅で判別できると思います。
    557はくっついていて、505は離れてますよね? 違ってたらすみません。
    それにしても、それ以外の違いは正直わかりませんでした。
    お見事です!

    • masagonia masagonia より:

      よーやんさん、コメントありがとうございます。
      また、ご指摘いただきありがとうございます!
      仰る通り、フロントVプリーツがくっついているか離れているかでも見分けられますね。
      ヴィンテージはディテールが色々あって面白いです(^^)

  3. naoto より:

    この二つまじで迷ってます。マサゴニアさんご意見ください!
    557→おそらくxx表記なしの8割以上色残り
    70505bige→ケアタグ付きの年代。2.3ウォッシュの濃紺

    引越しのため同じ型のGジャンは片方売れ!と妻に言われどちらを手元に残すべきか迷っています。。サイズはどちらも42で私にはジャストです。
    身長が168cmほどなので、557の着丈もそこまで気にならないかもです。。

    • masagonia masagonia より:

      naotoさん、こんばんは。
      よりお金を得たいなら557を手放すと思います。8割残のサイズ42なら15万は固いかなと!
      しかしヴィンテージデニム愛好家としては70505bigEを7〜8万円で手放して、557をキープすると思います、ご参考まで(^^)

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