若者の間で定番となったビッグシルエット
ビッグシルエットやワイドシルエットと呼ばれるゆったりとしたサイズの洋服を使ったコーデが流行り出してから5年くらい経ちましたが、今なお廃れることなく定番化しつつあると言っても過言ではないでしょう。むしろ街中でジャストサイズの洋服を着ているのは我々アメカジオヤジくらいでしょうか笑。
そんな若者の間で人気となっているのは極太シルエットが有名なアメリカ軍のM-65カーゴパンツで、このパンツをデザインソースにしたレプリカ品が各セレクトショップから多く発売されるほどです。もちろんトレンドアイテムを意識して商品展開しているユニクロ・GU連合も多分に漏れずM-65タイプを作っています。
しかもこれらのM-65レプリカパンツはオリジナルのM-65より更に太いシルエットで作られており、超極太な方が若者から支持される傾向にあるのが分かります。とは言え我々オヤジがここまで極太なカーゴパンツを穿くとなると相当なファッションスキルが必要になりますし、アラフィフオヤジの筆者には無理ゲーです。。
しかしトレンドとなっているワイドシルエットのカーゴパンツを穿いてみたい気持ちは次第に強くなり、気が付くと毎日のようにM-65カーゴパンツを検索するようになっていました笑。そんなある日、往復800km地獄の日帰り名古屋ツーリングをした際に行きつけのヴィンテージ古着屋unwaveで発見しました!
こちらunwaveはコンディションに拘ったヴィンテージ古着を買い付けてくるのが特徴のお店で、この時発見したM-65カーゴパンツもバキバキの美ユーズド状態でした。しかもサイズがウエストだけでなくレングスもジャストだったのもあり、3万円オーバーでしたが即決購入して持ち帰りました。
と言うことで今回は若者に大人気となっているワイドシルエットパンツ、M-65カーゴパンツを5年ぶりに購入したので相場の推移やディテールをレビューしていきます。また我々アラフォー・アラフィフオヤジが極太カーゴパンツをコーデに取り入れる際に気を付けたいポイントについても考察していきます。
5年前は5,000円で買えた不人気カーゴパンツ
今回5年ぶりにM-65カーゴパンツを購入しましたが、前回購入した2018年の時はまだヤフオクで5,000円前後で買えた時代でした。丁度その頃はユーロミリタリーやフレンチミリタリーと呼ばれるヨーロッパのミリタリー古着が流行りはじめており、アメリカ軍のカーゴパンツなんて誰も見向きもしませんでした。
実際に筆者もユーロミリタリーブームに乗っかってフランス軍M-47カーゴパンツを購入したことがありますが、根っからのアメカジ愛好家がゆえにフランス軍アイテムに魅了されず即手放してしまいました。また5,000円で購入したM-65カーゴパンツも当時は太すぎると感じていたのでヤフオク逝きに。。
時は流れて2023年現在、久しぶりに極太シルエットのM-65を穿きたい気分になって探してみたところ、信じられないほど高騰しているではないですか!「えっ、M-65なんて全然ヴィンテージじゃないですけど?」と個人的に感じていましたが、若者にとってはヴィンテージアイテムになるそうです。
そこで2023年現在のM-65カーゴパンツの相場を古着屋とヤフオクそれぞれで調べてみました。古着屋だと通常のユーズド品で2万円前後、アルミジップの初期モデルやミントコンディションだと3万円前後します。またヤフオク調べだと通常のユーズド品で1.5〜1.8万円、初期モデルで2.8〜3万円が相場でした。
これは一昔前であればアメリカ軍のコットン100%ヘリンボーンツイル生地(以下HBT)を使ったカーゴパンツが買える価格帯になりますが、古着ブームやヴィンテージデニムの高騰に引っ張られてミリタリーアイテムも高騰し続けています。ちなみに現在HBTパンツの相場は5万円前後と簡単に買えなくなりました💸
この古着ブームがいつまで続くのかは不明ですが、世界的にヴィンテージ古着の需要が高まっているので価格が上がることはあっても下がることはなさそうです。よって気になるヴィンテージ古着の購入を検討されている方は、「今が一番底値」だと考えて現在の相場内で購入することをオススメします。
M-65シリーズのサイズ感と極太シルエット
何故M-65カーゴパンツは極太なのかご存知の方も多いかと思いますが、このM-65シリーズは全てインナーにキルティングのライナーを取り付けられるよう大きめの設計になっております。これはカーゴパンツの対になるM-65フィールドジャケットもフィッシュテールパーカーも同様の仕様になっています。
参考までに178cm/66kgの筆者はジャングルファティーグジャケットだとSではタイトでMだとゆとりを持って着られますが、このM-65シリーズは全てSサイズで少しゆとりがありジャストなフィット感になります。今書きながら気付いたのですが、いつの間にかM-65シリーズをコンプリートしていました笑。
またM-65シリーズはコットン50%ナイロン50%の目が詰まった生地が採用されているので、カーゴパンツも夏に穿くと蒸れて暑かったりします。逆に秋〜冬に穿く場合は冷気を通さず暖かいので、わざわざキルティングインナーを付けなくても日本の冬レベルなら余裕で対応してくれます。
M-65カーゴパンツがどのくらい太いのかについて、同年代のアメリカ軍ジャングルファティーグパンツと比較してみました。ちなみにどちらのパンツもSMALL/REGULARで全く同じサイズにもかかわらず、明らかにM-65カーゴパンツの方が太いのが分かります。
またウエストに関してはボタンを留めるのもギリギリなジャングルファティーグパンツに比べて、M-65カーゴパンツはベルトをしないと少し落ちてきてしまうほどゆとりがあります。実際に平置き採寸してみたところ同じSサイズでもM-65カーゴパンツの方がウエスト周囲が6cmも大きいことが判明しました。
参考までに両パンツの実寸を以下に記載しておきましたが、かなり大きめな作りなので標準体型で身長170cm前半〜180cmまでの方ならSサイズで問題ないと感じました。また痩せ型で170cm前後の方ですとSサイズはブカブカになる可能性が高いので、個人的にはXS/SHORTかREGULARがジャストになると考えます。
M-65カーゴパンツ→78cm
ジャングルファティーグ→81cm
【裾幅】
M-65カーゴパンツ→26cm
ジャングルファティーグ→22cm
【股上】
M-65カーゴパンツ→33cm
ジャングルファティーグ→31.5cm
初期モデルのディテールと各種パーツについて
ここではM-65シリーズ初期モデルのディテールについてレビューしていきます。まずM-65フィールドジャケットはエポレット無し・アルミジップが1stモデル、エポレット有り・アルミジップが2ndモデルになり、真鍮のブラスジップが3rdモデルになるので、アルミジップは2ndモデルまでのディテールとなります。
その点M-65カーゴパンツはそこまで細分化されておらず、1965〜1970年までのアルミジップを採用した初期モデルと1970年以降のブラスジップに変更された後期モデルの二つに分けられています。またM-65シリーズが最初に作られた年はモデル名の1965年ではなく1967年が有力だとunwaveのオーナーから教えていただきました。
実際に筆者が所有するアルミジップのM-65フィールドジャケットとカーゴパンツのコントラクトナンバーの入った布タグをチェックしてみると、なんと奇遇にも両方とも1967年製の最初期の個体であることが判明しました。ただし最初期でも市場価値は普通のアルミジップと同じなので、ただの自己満足なんですが笑。
またサイドのステッチがダブルだと初期モデルでシングルだと後期モデルだと書いているブログが非常に多くて残念なのですが、実はダブルステッチは最初期モデルの中でも非常にレアなディテールになるので見つけるのは困難になります。実際にヤフオクで探してみれば分かりますが1本あるかないかでしょう。
何故ダブルステッチはレアなのか考えてみましたが、M-65カーゴパンツのサイドステッチはシングル仕様がデフォルトなのではないかと推察します。事実、筆者が所有する最初期モデルの個体でさえシングルステッチだったので、おそらくダブルステッチは特定のコントラクター(納入業者)に限られるのでは?
などとディテール1つで色々想像して楽しむことができるのがヴィンテージ古着の醍醐味だったりします。と言うことでアルミジップの初期モデルを購入してサイドがシングルステッチだったとしても、それが一般的な初期モデルのディテールでダブルステッチだったら奇跡だと思った方が精神衛生的にも良いでしょう。
極太シルエットカーゴパンツの大人コーデ
それでは極太シルエットのカーゴパンツを我々オヤジが穿きこなせるのか、アメカジオヤジの筆者がチャレンジしてみました。まずは5年前にM-65カーゴパンツをコーデした際はトップスをコンパクトにして合わせていましたが、今改めて見るとパンツのボリュームとバランスが合わず一昔前の雰囲気に…(画像1枚目)。
元々M-65カーゴパンツはビッグシルエットのトレンドに乗っかって若者から支持を得たので、ここは我々オヤジも1サイズ大きめのトップスを合わせて今っぽいコーデを心掛けてみるのもアリかと考えました。ここで登場するのは同じ名古屋遠征の際に行きつけの古着屋CROUT栄で購入した70505ケアタグになります。
この70505はファースト〜サードまでのヴィンテージリーバイスと違い着丈がウエストベルト1本分長いので、極太カーゴパンツと繋がりが良く見えます。またインナーは着丈長めのカットソー(キャンバーMサイズ)をチョイスした上でタックアウトした方が、上下を繋げてくれるのでコーデしやすいと感じました。
さらに調子に乗って若者たちが取り入れている裾のドローコードを絞って穿いてみましたが、我々オヤジがやると見事なまでに建設業の職人ご用達の寅壱ニッカポッカ風になってしまいました涙。足元はサンプルコーデと同様にクラークスのワラビーを合わせてみましたが、何を狙いたいのか全く分からない…😂
このボンタンシルエットに合わせるトップスを何にすれば良いのか想像もできませんが、街中を闊歩する若者たちを見ているとオーバーサイズのチャンピオンリバースウィーブやチェックシャツを合わせているイメージです。そんなルーズなスタイリングを我々オヤジが着たとしても、当然オシャレには見えません。。
もしM-65カーゴパンツをアメカジオヤジが取り入れるとしたら、裾は絞らずにノークッションで穿いて足首をチラッと見せる穿き方が無難かと感じました。やはりパンツの太さにかかわらずノークッション〜ハーフクッションのレングスで合わせるとパンツのラインが綺麗に出て大人っぽく見えるのでオススメです。
若者に大人気の米軍M-65カーゴパンツまとめ
と言うことで今回は若者に大人気のワイドパンツ、アメリカ軍M-65カーゴパンツについて書いてきました。5年前は誰も見向きもしなかったのでヤフオクで5,000円前後で購入できましたが、古着ブームと若者のビッグシルエットブームのおかげで今では2〜3万円もする立派なヴィンテージアイテムになりました。
その中で筆者は初期モデルと呼ばれるアルミジップで美ユーズドな個体を3万円+TAXで購入しましたが、古着屋のオーナーもアメリカ本土に買い付けに行っても中々出なくなったと嘆いていました。もしM-65カーゴパンツをお探しであれば今より安くなる可能性は低いので早めに購入することをオススメします。
最後に大人コーデについて検証してみましたが、極太シルエットのM-65カーゴパンツに対するトップスは大きめでインナーカットソーはタックアウトの方がバランスが取れると感じました。また目の詰まった生地は防風性が高く秋冬にピッタリなので、若者だけでなく我々オヤジも是非取り入れたい一本です。以上です!
コメント
こんにちは!カーゴパンツは男女ともに流行ってますねアラセブジジイもカーゴは大好物でもはや定番化しています。シルエットはジャブスのようなスリムフィットがやっぱり綺麗だと思います
あきちゃんさん、ご無沙汰しております!
カーゴパンツは私もジャングルファティーグパンツのような細めの方がコーデしやすいと感じています。
ジャブスやGTAのイタリアブランド懐かしいです(^^)
M-65カーゴパンツ。流行っていますね。オッさんが流行りのアイテムを着ると流行に遅れまいともがいて様に見えると言うのは私の家内のコメントです。
まあ、私は自身が気にいったものを身につけるというスタンスなので流行りは気にしていません。
でもカーゴパンツは好きなので
オランダ軍のナイフポケット付きカーゴパンツを愛用しております細身のシルエットでサイドポケットにマチが入っていないのでさらにスッキリしていますね。
オランダ軍のフィールドジヤッケットもお勧めですよ。
フロントポケットに斜に付けられたフラップが特徴です。
これは銃などを肩がけにした際に銃のベルトがポケットの開け閉めに干渉しないようにデザインされたそうです。
ジョニーゲップさん、こんにちは。
オランダ軍のカーゴパンツとはマニアックですね!
M-65カーゴパンツは流行っていますが、元々定番アイテムだったのでトレンド追っかけてるみたいにはならないと思います(^^)