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どんなファッションにも合う、オヤジが履きたいスエードのタッセルローファー

購入したのはクラシコ系ファッション時代

遡ること10年前、当時はまだクラシコイタリア系ファッションが流行しており筆者ももちろんハマっていました。休日になればチェックのテーラードジャケットにポケットチーフを刺し、第二ボタンまで開けたシャツの上に羽織ってドレス系ファッションを楽しんでいました。

その頃の足元の定番と言えば、サントーニやデュカルのようなイタリアの靴ブランドが作る華奢でソールの薄いマッケイ製法のスリッポンが主流でした。かく言う私もビームスF別注サントーニのスエードスリッポンをボロボロになるまで履き倒しましたからね(画像上)。

2022年現在ではグッドイヤーウエルト製法で作られたフランス靴やアメリカ靴が足元を席巻しておりますが、当時はいかに色気があるかが重要だったのでイタリア靴の一人勝ちでした。逆に今イタリア靴を履いている人を見かけなくなりましたから、トレンドとは怖いものです。。

 

 

 

 

 

そんなクラシコ系ファッション時代末期の2017年に購入したのがオールデンのスエードタッセルローファーになります。Uチップで縫われたアッパーとタッセルが付いたデザインがイタリア靴のスリッポンと似ていた為、クラシコスタイルに取り入れやすかったのを覚えています。

あれから時が流れファッションもクラシコ系→アメカジ古着に変わってしまった筆者ですが、購入から5年経った今でもこのタッセルローファーは現役で活躍してくれています。おそらくブランドがオールデンでなくても、このデザインであれば同じように活躍してくれると感じます。

今回はどんなファッションにも合わせられる守備範囲の広い万能選手であるスエードのタッセルローファーについて書いていきます。何故スエードに限定しているのか、タッセルのデザインの秀逸さなどの魅力に迫っていければと思います。

 

 

 

 

 

譲れないのはグッドイヤーウエルト製法

まずタッセルローファーを選ぶ際に譲れないのはグッドイヤーウエルト製法だという点になります。「別にマッケイでも良いのでは?」と思いますが、オールソール(ソールの全取り替え)できる回数がグッドイヤーの方が断然多いので経済的なんです!

またグッドイヤー製法はジョンロブやJMウエストンのような高級な革靴だけでなく、レッドウイングやウエスコのブーツにも採用されているごく一般的な製法の一つです。この製法の違いは、どちらかと言うとお国柄に現れており、イタリアはマッケイを好む傾向があります。

なので、もしなるべく安くグッドイヤーウエルト製法のタッセルローファーを購入したいのであれば、個人的には1880年創業の老舗靴ブランド、イギリスのローク社が作る一足がオススメです。輸入品の値上がりが止まらない世界情勢の中、お値段も4万円台で購入できるのも魅力です!

 

 

 

 

 

またグッドイヤーウエルト製法に拘りたい理由のもう一つに、見た目の剛性感の違いが挙げられます。革靴好きの方ならご存知だと思いますが、グッドイヤーはリブを介してアッパーとソールを縫製しているので、必然的にコバが必要になります(画像左の赤枠)。

クラシコ系ファッション時代には「コバが張り出している=色気がない」とされていました。しかしカジュアルファッション全盛期の現在であれば、逆に張り出したコバのおかげでアメカジ古着やゆったりとしたパンツとも好相性になります。

先述したロークのローファーもグッドイヤー製法なので、当然コバが張り出しています。よってジャケパンのような綺麗めなドレススタイルはもちろん、デニムパンツやミリタリーパンツまで幅広いカテゴリーのパンツと合わせても違和感なくコーデできます。

 

ローク タッセルローファー リンカーン ブラウン スエード(Loake LINCOLN BROWN SUEDE)

 

 

 

 

 

 

コインローファーには出せないドレス感

読者の皆さんがローファーと聞かれて最初に思い浮かべるのは、おそらくコインローファーではないかと思います。もちろん筆者も同様に思い浮かべますが、それくらい「ローファー=コインローファー」のイメージが強いかと思います。

この靴の起源は以前の記事でも書きましたが、1934年にアメリカのG.H.BASSがサドル部分にダイヤモンド型の切れ込みを入れたペニーローファーになります。また名前のLOAFER(怠け者)の通り、履くたびに紐で調整する必要のないデザインがアメリカのIVY達の間で大流行しました。

しかしカジュアル感のあるコインローファーをビジネスシーンでスーツに合わせるのはご法度であり、ドレスコードに抵触してしまいます。またスーツにコインローファーを合わせることが許容されている国は、生まれ故郷のアメリカ合衆国だけのようです🇺🇸

 

 

 

 

 

出典:ビームスオンラインオフィシャルサイト

その点、タッセルローファーは数あるデザインの中で最もドレス感のあるローファーだと言われています。さすがにスエード素材はタブーですが、表革(スムースレザー)であればフォーマルな場所以外であればビジネスシーンでも合わせることが可能です。

そもそもタッセルローファーの出自は、アメリカの俳優ポール ルーカスがイギリスで手に入れたタッセル付きの紐靴をシンプルに作り直してほしいとオールデンに依頼して誕生しました。そして1950年代になるとビジネスマンや弁護士がこぞって履き始め、「弁護士の靴」と呼ばれました。

やはりタッセル(房)が付くことで見た目が紐靴のようにフォーマルでありながらローファーのように軽快である点がビジネスマンにウケた理由でしょう。このような歴史的観点からも、カジュアルスタイルをドレスアップできるタッセルローファーを我々オヤジ世代にプッシュしたいのです!

 

 

 

 

 

履くだけで熟れて見えるタッセルコーデ

ここではスエードのタッセルローファーが何故履くだけで熟れて見えるのかについて触れていきます。まず上の画像ではオールデンのコードバンローファーと比較してみましたが、艶やかなコードバンに比べてスエードタッセルはマットな質感なのが分かります。

ここが非常に重要なポイントで、艶のあるドレッシーな靴ほどカジュアルに合わせづらくコーデの難易度が高いのです(コードバンは例外ですが)。その点スエードタッセルはマットな質感のおかげでカジュアルなデニムに合わせても全く違和感がありません

更にタッセルが付くことで、同じスエード素材でもコインローファー等よりドレッシーに見えます。我々オヤジが休日のカジュアルスタイルを違和感なくドレスアップしたい場合に、この「スエード+タッセル」の組み合わせは誰にでも簡単に取り入れられる格上げ靴だと感じています。

 

 

 

 

 

またここ数年、ウールスラックスをカジュアルに合わせるスタイリングも大人コーデとして定着しつつありますが、そんなコーデにもスエードタッセルの親和性は非常に高いです。画像上ではスムースレザーのUチップ靴(エドワードグリーンのドーバー)と比較しています。

このウールスラックスとスムースレザーの組み合わせは、靴に艶感があるおかげで非常にドレッシーに纏まっています。逆に言うとこのコーデを休日に着るにはカチッとしすぎるので難易度が高く、タイドアップも相まってコスプレっぽく見えることは否定できません…笑。

その点ウールスラックスとスエードタッセルローファーの組み合わせは、表面が毛羽立ったスエードのカジュアル感がウールスラックスのドレス感をほどよくドレスダウンしますし、他のカジュアルアイテムと上手くバランスが取れると感じています。

 

 

 

 

 

オヤジが履きたいスエードタッセルまとめ

と言うことで、どんなファッションにも合うスエードタッセルローファーについて書いてきましたが、改めて守備範囲の広さと熟れた雰囲気を醸成するのに一役買ってくれる名バイプレイヤーだと感じました。これが同じタッセルでもスムースレザーだと同じようにはならないから面白いです。

また読者の方でお安くスエードタッセルを購入されたい方には先述した通りイギリスのロークをオススメしますが、「ザ・オリジナル」を求める方は10万円以上叩いてオールデンを購入してください。私も所有していますが、満足感は非常に高い一足だと思います。

とは言え休日用の靴に10万円も出せないけど良いスエードタッセルが欲しいという方には、クロケット&ジョーンズの名作「キャベンディッシュ」がオススメです。クラシコ系ファッション全盛期に一世風靡したモデルですので、作りやクオリティは間違いないですから。以上です!

 

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コメント

  1. Koji より:

    タッセルローファー良いですよね。スーツに合わせると小慣れて見えますし、カジュアルに合わせるとクラシックに見えるので。私はオールデンが合わずクロケットですが、ブラウンスエードは雨にも負けずにガンガン吐けるので夏のハーフパンツ時に活躍してます。

    • masagonia masagonia より:

      kojiさん、コメントありがとうございます。
      クロケット&ジョーンズのギャバンディッシュもとても良い靴ですよね!
      私は固い業界なのでスエード靴をスーツに合わせられませんが、休日にめちゃくちゃ活躍してくれるので手放せません(^^)

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