2年前にヤフオクでデッドストック品を購入
ヴィンテージのリーバイス501をリジッド(糊の付いた新品状態)から穿き込んで、自分だけの一本を作ってみたいのはヴィンテージデニム愛好家共通の夢かと思います。かく言う筆者も一度でいいから66前期までのタテ落ちするインディゴデニムを使ったリーバイス501を穿き込んでみたいものです。
そんな夢が叶えられたのは約30年前の第一次古着ブームの頃までで、2023年現在では66前期はおろかタテ落ちしない赤耳モデルでさえデッドストック品を購入するのは難しくなりました。そこで目を付けたのが古着系のYouTubeやブログでタテ落ちすると噂されている501レギュラー最終モデルになります。
現在USA企画のデッドストック品501レギュラーは4〜5万円してしまいますが、筆者が購入したのは日本企画のUSA製501レギュラーだったのでデッドストック品でも2万円未満で購入できました。実は日本企画の501レギュラーはリンスと呼ばれる1ウォッシュ加工が入っている為、人気がないので相場も安めです。
この日本語で書かれたサイズ表記のフラッシャーを見ているとテンションもダダ下がりになるだけでなく、約30年前なら5〜6,000円で叩き売りされていたなぁ〜、と懐かしい気持ちになります笑。この501-01WAは1ウォッシュされているので、フラッシャーにはPRE-SHRANKと記載されているのも面白い点です。
また501レギュラー最終モデルはタテ落ちするという噂だけでなく、実はインディゴの色落ちが遅い=なかなか色が薄くならないのでコスパが非常に高いとも言われております。とは言え自分の脚で作り上げたヒゲ落ちやタテ落ちを早く味わいたいのが本音なので、購入してから2年間頑張って穿き込んでみました。
と言うことで今回はリーバイス501レギュラー最終モデルを2年間穿き込んでみた結果を、各部パーツの色落ちをチェックしながらレビューしていきます。本来であれば1年間の穿き込み後にレビューすら予定でしたが、本当に色落ちが遅すぎてほとんど変化がなかったので2年間かかってしまったのが本音です😂
穿き込み開始後6ヶ月は洗濯なしの根性穿き
デニムパンツをリジッドから育てたことがある方には基本的なことになりますが、やはり穿き込みを開始してから半年前後は洗わずに穿き続けた方がヒゲ落ちが期待できます。それはデニム生地の屈折部にクセ(形状記憶)を付けるのに時間が掛かる上、早めに洗濯してしまうとクセがリセットされるのが理由です。
上の画像は未洗濯で穿き込み開始から6ヶ月後になりますが、濃紺で分かりづらい状態であっても腰まわりにクッキリとシワが刻み込まれているのが分かります。さらに膝を見てみると半年間水を通していないデニム生地は伸びきってしまい、膝が出てしまってだらしない上に貧乏くさい見た目になっています。。
しかも気になる臭いに関しては穿き込んだ経験のある読者さんならお分かりかと思いますが、クローゼットに閉まっておくのが嫌なレベルで悪臭を放っております笑。そんな苦難と「早く洗いたい!」という欲求に耐えながらの半年間はキツいですが、初回洗濯後にヒゲが入っていたらその苦労は報われるのです。
そして今から1年半前にファーストウォッシュ&ガス式乾燥機でパッカリングを作った時の画像がこちらになります。よく見ると薄っすらと腰まわりにヒゲらしい横線が入っているのを発見しましたが、半年間洗わずに頑張って穿き続けた自分を褒めてやりたい瞬間でもあります(大袈裟なオッサンですね笑)。
また今後も同じ位置が屈折するよう穿かないとヒゲの成長は見込めませんので、乾燥後の初穿きの際に指でつまんで薄いヒゲの位置で屈折するよう調整しました。デニムに興味のない人から見たらバカバカしいこの作業が必要なのは3ウォッシュ目くらいまでで、その後は勝手にヒゲ部分が屈折するようになります。
またガス式乾燥機を使うことでしっかりとパッカリングが発生してくれましたが、501レギュラー最終モデルは脇割りなので生地が赤耳のように斜めにうねりません。やはりうねってこそヴィンテージリーバイスだと感じてしまう方は、501レギュラーよりリゾルトを選んだ方が満足できると思います。
穿き込み1年後でも変化少々…洗濯頻度UP
501レギュラー最終モデルをせっせと穿き込み続けて1年後、脱いだデニムパンツを見てみるとシワはしっかり定着しているものの濃いインディゴが残ったまま…。一体なぜ色落ちが進まないのか原因を色々と考えてみましたが、洗濯回数が少ない上ビヨンデックスで洗っているのが理由だと考えました。
実は筆者が所有するヴィンテージデニムは全てビヨンデックスを使っていますが、インディゴの色が本当に落ちないので安心して洗濯することができます。しかしリジッドデニムから育てる(色落ちさせる)場合にビヨンデックスは不向きで、濃い状態をキープしたい方にオススメの洗剤だと再認識しました。
そんなある日ぬかるみで足を滑らせ尻から転んでしまい、ヒップポケットが泥まみれになってしまいました。この頑固な汚れはオシャレ着用洗剤では落ちる気がしなかったので、デニムの色落ち促進も期待して強力な洗浄力を持つ粉洗剤(自宅にあったニュービーズ)を使って洗濯することにしました。
洗浄力が強力な粉洗剤ニュービーズには漂白剤も配合されているので、いくら色落ちしづらい501レギュラー最終モデルをもってしても洗濯水が濃いブルーに染まるほど脱色しました!また先ほどの泥汚れが完全に除去できただけでなく、1年間の穿き込みで蓄積した皮脂汚れもしっかり除去できました。
色落ちスピードを上げる為だけでなく精神衛生的にも粉洗剤で洗濯するのは気持ちいいのもあり、穿き込み1年後〜2年後の1年間は毎月1回ニュービーズを使って洗濯機で洗濯することにしました。実はバイクのツーリングで穿くと排ガスで臭くなるので、しっかり粉洗剤で洗って臭いを取る目的もありました。
またガス式乾燥機の使用頻度ですが、2回目以降はそこまで大きな変化が得られなかったので、ランニングコストを考慮して3回に1回しか使いませんでした。そして穿き込み開始〜1年後で3回、1年後〜2年後の1年間で12回=計13回洗濯したリーバイス501レギュラー最終モデルがどこまで変化したか…は次のコーナーで笑。
穿き込み2年でヒゲ落ち完成!耳の色落ちは?
では2年間穿き込んだリーバイス501レギュラー最終モデルをレビューしていきますが、最初の半年間は洗濯せずにヒゲ部分のシワを形状記憶させたおかげでメリハリのあるヒゲを育成できました。このヒゲ落ちは見た目の印象を変える重要なディテールで、ヒゲがないとノッペリとした印象になってしまいます。
これまでに筆者はAPCプチスタンダード、RRL53MB、フルカウント1101、ウエアハウスDD-1101と様々なデニムパンツを穿き込んできましたが、股上が深くてゆとりのある501タイプと違い股上が浅くタイトフィットなAPCプチスタンダードが最強のヒゲ落ちをしてくれました(画像2枚目)。
よって501タイプのデニムパンツをガッツリとヒゲ落ちさせたい場合は、通常より1サイズ下を多少無理して穿かないと厳しいと感じました。そう考えるとバキバキにヒゲ落ちした501を手に入れる方法としては、骨太・肉厚なアメリカ人が穿き込んだヴィンテージ古着を購入するのが最も手っ取り早いでしょう。
上:501レギュラー最終モデル
下:501XXレザーパッチ53モデル
腰まわりのヒゲに次いで見た目の印象を変えるディテールが耳部分の色落ちになりますが、定期的にガス式乾燥機にぶち込んでいたおかげで凸凹とした立体的な色落ちになりました。ただしどこまでいっても所詮は脇割りなので、ヘム部分が内側に丸まって直線的な色落ちをする赤耳のようなアタリにはなりません。
また筆者が所有する綺麗に赤耳のアタリが出た501XX53モデルの画像と比較してみましたが、凸凹感は同レベルでも直線的なヘムのアタリで差が出てしまいました。とは言え2万円弱で購入した501レギュラーが2023年現在50万円前後はする501XXと勝負できるとは、やはりレギュラー最終モデル恐るべしです!
ちなみに脇割りを綺麗に色落ちさせるコツとしては、穿きこむ前に裏側から耳部分にアイロンを当ててしっかり広げた上で生地をピタッと押し当てた状態にする必要があります。この一手間を惜しまずに施工することで脇割りですら赤耳のようにアタリを楽しめますので、これはやらない理由はありません🤗
505レギュラー最終モデルと50166前期と比較
では最後にタテ落ちすると噂されている501レギュラー最終モデルが本当にタテ落ちしたのかを、実際にタテ落ちした505レギュラー最終モデルと直接比較してみました。ちなみに505は古着としてリサイクルショップで購入したので自分で育てた訳ではないですが、ヴィンテージも顔負けの色落ちをしています!
まず生地の雰囲気をレビューする為に接写してみましたが、縦線が無数に入ってタテ落ちした505に比べて501は粒状でザラっとした色落ちをしています。しかし501を近くでよく見てみると縦線のタテ落ちも発生しはじめているので、今後の洗い込みでタテ落ちが更に成長するのではと推察します。
さらにヒップまわりのディテールをチェックしていきますが、残念ながら紙パッチやアーキュエイトステッチのカーブ等の雰囲気は完全にレギュラーそのものです笑。とは言えザラっとしたダマ落ちが特徴的な80〜90s前半のリーバイスと比べると、やはりヴィンテージっぽい雰囲気が出ていると感じます。
続いて「最後のタテ落ちリーバイス」と呼ばれる501の66前期モデルと直接比較してみましたが、残念ながらヴィンテージ感の差は歴然でした。。先ほどの505レギュラー最終モデルとの比較では両者とも良い雰囲気に見えましたが、オリジナルのヴィンテージリーバイス501の前では霞んで見えます笑。
66前期モデルは1974〜77年の4年間製造されましたが、今から約50年前のモデルなのでインディゴの色味や皮脂汚れも酸化されてヴィンテージならではの顔つきになっています。その点501レギュラー最終モデルはデッドストック品を2年前から育てているので、66前期に比べると赤子同然の雰囲気です。
また66前期ならタテ落ちの凄みは画像からも伝わってきますが、それに比べてしまうとレギュラー最終モデルはダマ落ちに見えてしまいます。さらに一回り小さいヒップポケットや黒カンヌキ、内股シングルステッチや赤耳などのディテールが総合して66前期のヴィンテージ感を醸成しているので負けて当然ですね💦
501レギュラー最終モデル2年後報告まとめ
と言うことで今回は、タテ落ちすると噂のリーバイス501レギュラー最終モデルを2年間穿き込んだ後の色落ちについて書いてきました。80〜90sのザラっとしたダマ落ちをする501に比べると、90s後半〜2002年までに製造されたレギュラー最終モデルはタテ落ちっぽく色落ちしてくれることは確認できました。
しかしオリジナルのヴィンテージリーバイスと直接比べてしまうとその差は明らかで、501レギュラー最終モデルはタテ落ちではなく「タテ落ち風」だと感じました。今後の洗い込みでとのように変化するか不明ですが、穿き込み2年後の状態ではタテ落ちした505レギュラー最終モデルのようにならなそうです💦
とにかく頑張って2年間穿き続けて飽き飽きとしてきましたので笑、今年いっぱい穿いたら以前の記事でご紹介したレプリカブランド4選の中から1本選んで2024年1月から穿き込もうと考えております。どのレプリカデニムを色落ち重視で選ぶのか、はたまた雰囲気重視で選ぶのか楽しみにしていてください。以上です!
コメント
こんにちは。僕も同じ米国製最終の501履いてます。洗濯せずにいたらカビ生えて臭くなり苦労しましたが緑茶に浸けて除菌して復活しました。くれぐれもカビに気をつけてね。それとこの米国製最終501日本流通モデルは同時期のユーロリーバイス501と同じ生地でrich indigo(色が濃いという意味)デニムで、米国流通最終モデルとは色が違います。米国流通の方が色が青く、のっぺり色になるようです。ヤフオクに新品22000円W32が出品されているので参考になりますよ。米国製最終の501です。
みすたじやびつとさん、コメントいただきありがとうございます。
ユーロリーバイスのRICH INDIGO初めて聞きました、大変勉強になりますm(_ _)m
米国流通モデルは最後までダマ落ちのままだったんですね。。
こんにちは返信ありがとうです。この米国製最終の501とユーロリーバイス501は糸がリング糸という物だと思います。日本のエドウィンなどと同じデニムです。それに対し米国流通や中南米製は空紡糸という物だと思います。裏返すとよく分かります。縦落ちでも点の縦落ちと線の縦落ちがあります。米国製リーバイス米国流通モデルは1990年と2000年どちらも同じ生地かもしれません。空紡糸で検索すると分かります。
みすたじやびつとさん、こんにちは。
501レギュラー最終モデルはリング糸なんですね!
空紡糸を調べてみましたが、ふわっとした肌触りになるみたいで、言われてみると米国流通レギュラーは肌触りが良いような気がします(^.^)