初対面は2019年末のサンタモニカ表参道店
忘れもしない2019年12月の年末……私は古着仲間「東の爆買王」ことkousei氏と原宿の古着屋巡りをしていた時のこと。ふと立ち寄ったサンタモニカ表参道店で突然の出会いを果たしました。
そう、店内の天井から数着のインターナショナルジャケットが吊るされていたのです。当時私はヴィンテージバブアーにほとんど興味がなかったので、このジャケットが実はレアアイテムだったとは知りませんでした。
するとヴィンテージのインターナショナルジャケットを所有するkousei氏から「カッコいいジャケットだから試着だけでもしてみれば?」と言われ着てみることに。すると…
めっちゃカッコいいじゃないの!
サイズ感も良いしコンディションも悪くなかったのですが、残念ながら胸ポケットに付くはずの「Barbour」ワッペンが欠損してたので今回はスルーすることに。
しかしこの時は気付いてなかったのです、この90sまでのディテールである襟タグが「INTERNATIONAL SUIT」表記のバブアーインターナショナルジャケットがこんなにも見つからないことを。。
ちなみにこの日の古着屋巡りで購入した50s PAY DAYのカバーオールは数ヶ月後にフリマ企画で読者さんの元に旅立っていきました。そう、私はこの日PAY DAYではなくインターナショナルを買えば良かったとず〜っと後悔してたのです笑。
インターナショナルジャケットの歴史
逃した魚は大きいと感じた私は、購入に向けて年代ごとのディテールについて調べてみました。まずインターナショナルジャケットは1936年にモーターサイクルジャケットとして誕生したモデルであるとバブアーHPに書いてあります。
また当時の最古モデルに付く襟タグは通称「白タグ」と呼ばれており、「Barbour Suit」と表記されております。ちなみにブランド名はBarbourはなく1894年設立時のJ.Barbour&Sonsとなっております。
画像のインターナショナルジャケットは1940年代の最初期モデルですが、80年も前のモデルな上に残存数もかなり少ないので、お値段はもちろん10万円を余裕でオーバーします。まぁ、そもそも白タグの個体自体が簡単には見つかりませんが…。
そして白タグの次は1960〜1974年までの間に使われていた通称「黄タグ」になります。画像は黄タグのインターナショナルジャケットを所有している古着仲間のオルネカルネさんからお借りしました。
先程の白タグはツチノコ級にレアですが、この黄タグもそう簡単に古着屋で見つかりません。オルネカルネさんのレポートによると、どうやら当時のモデルは現行モデルより着丈が短くコンパクトな作りのようです。
また気になる価格も白タグ同様に10万円オーバーは確実なので、貧乏リーマンの私には手が出ません。。この白タグについて詳しく知りたい方は、是非オルネカルネさんのブログを読んでみてください!
狙い目はヴィンテージ感のある90sまで
先程ご紹介した最初期モデルの白タグ→黄タグの後は、1974年にフィリップ公からロイヤルワラントを授与されたのを契機に、現行タグのデザイン元となった1クラウンのタグに変更されます。
その後1982年にエリザベス女王から授与されて2クラウンタグに、1987年にウェールズ皇太子より授与されて現在の3クラウンタグに変更され現行に至ります。
また1クラウンと3クラウンではタグ以外にも採用しているジッパーのメーカーやスライダーの形状が違いますが、実は1クラウンと3クラウンではパッと見の違いがほとんどないのです。
出典:ヤフオク!
さらに3クラウンでもヴィンテージインターナショナルジャケットの特徴であるブラック×レッドのタータンチェック柄ライナー(画像上左)が付いてきます。この裏地がチラ見えするだけで「コレはヴィンテージだな!」と識別できる最大のポイントになります。
ちなみに2000年代以降のインターナショナルジャケットはベージュ×グレーのバーバリーチェックに似た柄(画像上右)に変更され、襟タグのデザインもロイヤルワラントが横並び→縦並びに変更されます。
また90sインターナショナルジャケットをオススメする理由は見た目のヴィンテージ感だけではありません。高額な1クラウンや2クラウンに対して90sの3クラウンは3〜5万円と常識的な古着価格で購入できる点もオススメしたいポイントになります。
90sインターナショナルJKTのディテール
それでは私が2年間探して手に入れた90sインターナショナルのディテールを見ていきます。ちなみに気になる購入先は、毎日チェックしているヤフオクで落札しました。やはりヴィンテージ古着を探すならヤフオクに限ります!
実はクラシコイタリア系ファッション時代に現行モデルで新品のインターナショナルジャケット購入を検討しましたが、ピカピカの金ボタンがどうしても苦手だったので結局購入には至りませんでした。。
その点90sのインターナショナルは使い込まれることによってボタン表面が劣化していき、艶のない燻されたような金色に変色しているおかげで悪目立ちしないのでコーデしやすいのが、ヴィンテージインターナショナルを購入する最大の理由かもしれません。
また胸ポケットに付いた「BARBOUR INTERNATIONAL」のワッペンも、新品だとイエロー文字の主張が強くて若干気恥ずかしいですが、90sのワッペンは変色して毛羽立つことで熟れた雰囲気を醸し出しているのもタマりません🤤
この90sインターナショナルジャケットの熟れ感はオイルが抜けた生地や艶が消えたボタン、毛羽立ったワッペンの雰囲気だけでなく、襟裏に貼られたコーデュロイ生地の色褪せも加担しているかと思います。
これはインターナショナルだけでなく、ビデイルやゲームフェア等も同様で、コーデュロイ生地の枯れた色味はヴィンテージバブアーの独特な雰囲気を形成する一因となっています。この色味は残念ながら現行モデルでは絶対に出せません。
以上の理由からユーズドバブアー特有の臭いに耐えられる古着好きの方には、積極的に〜90sまでのヴィンテージ品を積極的にオススメします。しかし大概の方は古着屋に置いてあるユーズドバブアーの臭いに耐えられないかと思うので笑、そういう場合はほぼ臭いのしない現行バブアーもアリだと思います!
アメカジオヤジのオイルドJKT大人コーデ
出典:instagram
出典:instagram
ここではアメカジオヤジが着こなすヴィンテージのインターナショナルジャケットについて考察していきます。instagramのpostを拝見して気付いたのは、欧米人よりアジア人の方がカッコよく着こなしてる(筆者の個人的な感想です)という意外な事実でした。
完全にバイク用アウター、すなわち道具(モーターサイクルジャケット)として使っている欧米人に対し、アジア人は他モデルのバブアー同様ファッションアイテムとして着用していることが分かります。
またフェード(退色)してグレーがかったインターナショナルジャケットは、カジュアルなデニムパンツやチノパン〜綺麗めのウールパンツまで合わせるパンツを選ばない万能選手だったりします!
ちなみに私が特に気に入っている着こなしは、タイドアップスタイルの上に羽織ってベルトをギュッと締めたコーデがめちゃくちゃ素敵だな〜、と感じてます😍
このヴィンテージ感満載の90sインターナショナルジャケットをアメカジオヤジの筆者が着こなすなら、全身コテコテの古着コーデにならないようドレスアイテムを加えてバランスを取るかと思います。
ヴィンテージバブアーはこのジャケットの他にバーレーを所有してますが、使い込まれたオイルドジャケットの枯れた存在感が強すぎるので、他のアイテムで清潔感を出さないとリアルに浮浪者っぽい見た目になってしまいます笑。
なので画像上ではウールパンツとレザーバッグを、画像下では紺ブレをタイドアップして合わせています。また靴に関してはドレス系の革靴を合わせた方が全体のバランスが取りやすい上、大人の品位をキープできるのでオススメです。
2年間探して手に入れたバブアーまとめ
と言うことで今回は「2年間探して手に入れたヴィンテージバブアー、90sインターナショナルジャケット」について書いてきましたが、改めてラギッドでありながら品のある大人のオイルドジャケットだなぁ〜と自画自賛しております笑。
ただしヴィンテージバブアーは多かれ少なかれ必ず「オイルドジャケット特有の臭い」がしますので、それに耐えられる方のみオススメします。まぁ、多くの男性は臭いに耐えられると思うのですが、ご家族の理解が得られないかなと…😂
その場合は現行バブアーを購入して5〜10年掛けて自分だけの一着を作るするのもアリかと思います。バブアーはデニム以外でエイジングが楽しめる数少ないアウターなので、新品から育てるのが本来の楽しみ方になります。
またコーデについては90sインターナショナルジャケットのラギッド感が強すぎるので、ヴィンテージのデニムパンツを合わせるより綺麗めなパンツを合わせた方が全体のバランスが取れると感じました。
ちなみに私が購入したヤフオクの個体は3万円前後で購入できましたが、届いてみたらライニングに破れが…。まぁ格安だった上にシェルの状態はそこそこ良かったので、自分でリペアして着て問題なく着ております。
やはりヴィンテージバブアーは例の臭いが気になりますので、個人的には古着屋で現物を確認してからの購入をオススメします。また90s以前のユーズドバブアー特有の臭いがダメな方は、現行バブアーを選んでも着込めば同じ雰囲気になるので全然アリかと思います。以上です!
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